源実朝の歌と陸奥国塩竈
「陸奥は いづくはあれど 塩釜の 浦こぐ舟の 綱手かなしも」 『古今和歌集』 にあるよみ人しらずの歌。 三代将軍 源実朝 は、この歌を本歌取りしてこう詠みました。 「世の中は つねにもがもな なぎさこぐ あまの小舟の 綱手かなしも」 ( 『百人一首』 入選作) 源実朝歌碑 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 陸奥国の 塩竈 は、歌枕の地として知られた地。 紫式部 の 『源氏物語』 の主人公・ 光源氏 のモデルの一人とされる源融は、邸宅の 河原院 に塩竈の風景を模した庭園を造営したのだといわれています。 紫式部 も陸奥国の名所絵を見て一首詠んでいます。 そして 源実朝 はこう詠みました。 「しほがまの 浦の松風 かすむなり やそしまかけて 春や立つらん」 塩竈