別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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京都・奈良・平泉・鎌倉などの寺社・歴史・人物・伝説・文化・自然・花などの情報をお伝えします。


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2025年10月27日月曜日

実慶の阿弥陀三尊~北条時政が造立させた仏像~




函南町の「かんなみ仏の里美術館」に所蔵されている阿弥陀三尊像(阿弥陀如来及両脇侍像)は、慶派仏師・実慶の作。

北条時政石橋山の戦いで討死した長男・宗時の慰霊のために造立させたものと考えられています。




阿弥陀如来の首枘(くびほぞ)の裏には「大仏師實慶」の墨書があるらしい。


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『吾妻鏡』によると・・・

1180年(治承4年)8月24日、石橋山の戦いでの敗北後、時政と次男の義時は箱根の湯坂道を経て甲斐国へ向かおうとし、宗時は土肥から桑原(函南町)を経て平井郷(函南町)へ向かおうとしたようですが・・・

宗時は平井郷を目の前にして伊東祐親軍に討たれてしまったようです。




函南町には北条宗時の墓と伝えれる塔が残されています。

『吾妻鏡』によると、1202年(建仁2年)6月1日、北条時政は夢のお告げによって伊豆国へ下向し、宗時の墳墓堂で追善供養を行っているようです。

阿弥陀三尊像もこの頃に造立されたのかもしれません(「かんなみ仏の里美術館」の説明では建久年間(1190~1198年)の末頃とされています。)。

時政といえば、願成就院の造仏を運慶に依頼したことで知られていますが・・・

このころの運慶は東大寺大仏殿の造仏に携わり、1203年(建仁3年)には南大門に快慶らとともに造立した金剛力士像が安置されています。

実慶は、運慶が1183年(寿永2年)に完成させた「運慶願経」に名を連ねている慶派の有力仏師。

運慶や快慶が南都復興の造仏に携わっている間、実慶は東国での仏像需要に応じた活動をしていたようです。

1210年(承元4年)には、修禅寺大日如来像を造立しています。




願成就院の運慶仏

願成就院


実慶の大日如来と納められていた3束の頭髪


修禅寺


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運慶


運慶 祈りの空間


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2025年10月25日土曜日

2026年は午年。青馬「池月」が現れた千束八幡神社


千束八幡神社


東京都大田区の洗足池に鎮座する千束八幡神社は「旗挙げ八幡」とも呼ばれる古社。

1180年(治承4年)、この地に陣を構えて諸将の参陣を待ったという源頼朝の前に野馬が飛来。

「池に映る月影のよう」であったことから「池月」と名付けられたのだとか・・・

千束八幡神社は名馬池月発祥の社。


名馬池月

1184年(寿永3年)の木曽義仲追討(宇治川の戦い)の際に頼朝から池月を与えられた佐々木高綱は、同じく磨墨を与えられた梶原景季宇治川の先陣争いを繰り広げました。

池月は、その余生を高綱館があった鳥山(横浜市港北区)で過ごしたのだといわれています。

高綱は鳥山に駒形明神を建てたと伝えられていますが、今はなく、その代わりに馬頭観音堂が残されています。


千束八幡神社
池月の絵馬

池月は、青い毛並みで白の斑点を浮かべていたのだとか。

古代の宮中では正月7日に「白馬節会」(あおうまのせちえ)が行われ、青馬を見ることでその一年の邪気が除かれるとされてきました。

白馬」と書かれるようになったのは平安中期頃からで、それまでは青馬が用いられてきましたが、白馬を用いるようになったために名称が変化したのだとか。




千束八幡神社


名馬 池月








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鎌倉 初詣情報


鎌倉 新年のイベント


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2025年10月12日日曜日

瀬戸神社の舞楽面~抜頭面は運慶が彫った?~


横浜市金沢区の瀬戸神社には、源実朝が愛用したというふたつの舞楽面が所蔵されています。


抜頭

抜頭(ばとう)面の裏には運慶が彫刻したという銘が残されています。

これは、のちに追記されたものともいわれ、運慶作と断定されてはいませんが、慶派の仏師によるものであることは間違いないようです。


陵王

もう一つは、陵王(りゅうおう)面。

鶴岡八幡宮陵王面とほぼ同じ形式のもの。


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瀬戸神社は、1180年(治承4年)に源頼朝が崇敬していた伊豆の三嶋大社を勧請して創建した社。



瀬戸神社の社頭の琵琶島弁財天は、北条政子が琵琶湖の竹生島の弁財天を勧請したのだと伝えられています。



運慶


三嶋大社

竹生島









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運慶 祈りの空間

宝物風入


鎌倉の紅葉

北鎌倉の紅葉


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2025年10月5日日曜日

2025伊豆山神社の新嘗祭~熱海に赤城の大蛇もやってくる特別な秋祭り!11月23日~


11月23日に行われる「新嘗祭」は、その年の五穀豊穣を感謝する祭。

ただ、伊豆山神社の新嘗祭は、様々なイベントで賑わう特別な秋祭り。




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大蛇神輿の渡御




老神温泉の「大蛇まつり」は、赤城山の守り神「蛇」に感謝を捧げる祭。

巳年の今年は、12年に一度の全長108.22mの大蛇神輿の特別渡御がありました。



熱海の街を渡御するのは30メートルの白蛇の大蛇神輿のようです。


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グルメ


伊豆山神社境内にはフリーマーケットやキッチンカーが並びます。

アジフライやクレープ、焼きそば、群馬名物の焼きまんじゅうも。




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ステージイベント





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伊豆山神社

伊豆山神社は、源頼朝が源氏再興を祈願した社。

境内の腰掛石は、頼朝と北条政子が愛を語らったという石。

政子は御神木「梛の木」の葉を鏡の下に敷き、頼朝との愛を祈ったのだとか・・・

「北条政子の頭髪梵字曼荼羅」は、政子が自らの髪の毛を刺繍したものといわれています。

二人の次男源実朝は・・・

ちはやぶる
伊豆のお山の
玉椿
八百万代も
色はかはらし


箱根路を
わが越えくれば
伊豆の海や
沖の小島に
波のよるみゆ


伊豆の国や
山の南に
出づる湯の
速きは神の
験なりけり


と詠んでいます。




伊豆山神社


熱海と源頼朝の伝説

伊豆・箱根の二所詣








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箱根神社

三嶋大社


歴史めぐり源頼朝


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2025年9月28日日曜日

三嶋大社の金木犀 2025 ~源頼朝も甘い香りを鑑賞したかも。~


三嶋大社の情報によると、天然記念物の金木犀が1回目の開花中。




三嶋大社の金木犀は樹齢1200年という古木。

時には、その甘い香りが二里先まで届いたのだとか。

源頼朝が流されていたという蛭ヶ小島まで届いていたかも。

※金木犀は二回開花します。



三嶋大社の金木犀


三嶋大社








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源頼朝配流の地・北条氏発祥の地

北条の里~頼朝・時政・政子めぐり~


伊豆・箱根の二所詣


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