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藤原行成の白氏詩巻と清少納言・紫式部が愛読した白氏文集

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国宝「白氏詩巻」 (東京国立博物館) 国宝「白氏詩巻」は、 藤原行成 が 『白氏文集』 巻第六五から八篇の詩を揮毫したもの。 『白氏文集』 は、平安時代の承和年間(834-848)頃、日本に伝来し、 一条天皇 の時代に流行。 藤原行成 は 『白氏文集』 を書写して 一条天皇 に献上しているのだといいます。 『白氏文集』 は、女流文学者の愛読書ともなり・・・ 清少納言 は『枕草子』で「文は、文集・・・・・」とし、「文集」(白氏文集)を漢詩文の文物のトップに位置付けました。 紫式部 は 『源氏物語』 ~須磨の巻~で、 須磨 へ蟄居する 光源氏 が荷物の中に 『白氏文集』 を入れさせているところを描いています。 次回の光る君へ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

藤原公任と清少納言の連歌

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「空寒み花にまがへて散る雪にすこし春ある心地こそすれ」 藤原公任 と 清少納言 の連歌。 風が吹き、空は黒く、少し雪が舞う2月末、 清少納言 のもとへ 藤原公任 から「すこし春ある心地こそすれ」(下の句)が贈られてきます。 (少し春めいた感じがする) これに清少納言が付けた上の句が 「空寒み花にまがへて散る雪に」 (寒々とした空の中で花と間違うようにして散る雪に・・・) 公任 の「すこし春ある」は、白楽天(白居易)の 『白氏文集』 の 「三時雲冷ややかにして飛雪多く、二月山寒くして少しく春有り」 を踏まえてのもの。 清少納言 も白楽天の「三時雲冷ややかにして飛雪多く」を踏まえ、雪を花に見立てています。 公任ほどの知識人がどう思うかと心配だったようですが、評判は上々だったらしい。 次回の光る君へ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

雨夜の品定め:『源氏物語』~帚木の巻~

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五月雨が降り続く宮中の「 物忌 の日」の夜。 退出できずに暇を持て余していた 光源氏 のもとには、正妻・ 葵の上 の兄・ 頭中将 がやってきます。 そして、 頭中将 は自らの女性論について語り始めます。 そこへ、左馬頭と藤式部丞が加わります。 頭中将 が 「理想的な女性というのはめったにいない。 上流階級の女性は周囲に助けられてよく見えることが多いが、中流階級にはちょっと変わった個性的な女性が多い・・・」 などと語ると、左馬頭は中流階級の女性の面白さについて語ります。 冷やかし半分に聞いていた 光源氏 でしたが・・・ 各々の経験談を聞いているうちに、中流階級の女性に興味を持つようになります。 そして、後日、 方違え のために訪れた伊予介の長男・紀伊守の屋敷で 空蝉 と出逢うことになります。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「光る君へ」第7話では、 打毬 が開催され、 源倫子 ・まひろ( 紫式部 )・ききょう( 清少納言 )が観覧するようです。 観覧する女性たちを見た男たちは何を語るのでしょう? ☆ ☆ ☆ ☆ ☆