永仁の徳政令と世界記憶遺産・東寺百合文書
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、2015年10月10日、「東寺百合文書」(とうじひゃくごうもんじょ)を世界記憶遺産に登録することを発表しました。 ・・・・・・・・・・・・・ ~永仁の徳政令~ 永仁の徳政令 は、1297年(永仁5年)3月6日、九代執権 北条貞時 が発した法令。 徳政とは御家人の窮乏を救うための政策です。 永仁の徳政令 の条文は残されていませんが、「東寺百合文書」(とうじひゃくごうもんじょ)の中にその内容を示すものが残されています。 ~東寺百合文書~ (永仁5年の関東御教書) この文書は、1297年(永仁5年)7月22日、 北条貞時 が 六波羅探題 の大仏宗宣と北条宗方に宛てた書状。 最初に書かれているのは、御家人間の所領の売買・質入を禁止すること。 それ以前に売却した所領については、幕府の下文・下知状のあるものや、買主が20年以上知行しているものを除き、売主は無償で取り戻せることを認めています。 また、非御家人や凡下(一般庶民)に売買・質入した所領は、無条件で元の領主が取り戻すことができるというものでした。 その他、所領に関する裁判を一切受け付けない事や、越訴(再審請求)の禁止を定めているようです。 ※東寺百合文書の画像は 東寺百合文書WEB (京都府立総合資料館)より。 東寺 https://www.yoritomo-japan.com/nara-kyoto/touji/touji.htm 東寺 は平安京守護の官寺として平安遷都とともに創建された寺院。 かつて、平安京の南の玄関口・ 羅城門 の東西には、東寺と 西寺 がありました(西寺は1233年(天福元年)に焼失)。 東寺の宝蔵 「東寺百合文書」は、1000年以上にわたって 東寺 に伝承した約2万5千通におよぶ寺院文書で、 宝蔵 に収められていました。 現在は京都府立総合資料館に保管されています。 2015年10月1日(木)から11月8日(日)まで、京都府立総合資料館展示室で「東寺百合文書展」が開催されています。 東寺百合文書WEB でも観ることも出来ます。 ・・・・・・・・・・・・・ 鎌倉との繋がりを求めて!