除夜の鐘と鎌倉の名鐘
12月31日(大晦日)の夜から1月1日にかけて撞かれる鐘を「除夜の鐘」と呼びます。 108回の鐘が撞かれますが、そのうち107回までを旧年中に撞き、残りの1回を新年に撞くというのが一般的な作法のようです。 108 という数については・・・ 「煩悩の数」 とする説が多く語られているようですが、 かなり複雑な計算によって導き出されたものもあります。 (眼・耳・鼻・舌・身・意)の 6 に、(苦・楽・不苦不楽)の 3 を掛けます。 6×3 = 18 続きまして・・・ この18に(貧者と無貧者)の 2 を掛けます。 18×2= 36 さらにこの36に(過去・現在・未来)の 3 を掛けます。 すると・・・36×3= 108 そして、一年十二ヶ月・二十四気・七十二候の和であるという説もあります。 (12+24+72= 108 ) ~鎌倉を代表する梵鐘~ 円覚寺の梵鐘(洪鐘) 鎌倉最大の梵鐘。九代執権 北条貞時 が 江ノ島 に参籠して鋳造に成功させたという伝説の梵鐘で、「国宝」に指定されています。 この鐘を吊す鉄環は、名刀正宗で知られる 刀工正宗 の作と伝えられています。 建長寺の梵鐘 「関東一の美しさ」といわれる梵鐘で、「国宝」に指定されています。 五代執権 北条時頼 の寄進。撰文は開山の 蘭渓道隆 。 建長寺 創建当時の貴重な遺品です。 東慶寺の梵鐘 材木座の 補陀洛寺 から移された梵鐘です。分捕り品となって土中に埋められた鐘を、のちに農民が掘り出したものと伝えられています。 もともとの 東慶寺 の梵鐘は、伊豆韮山の 本立寺 にあります。 本覚寺の梵鐘 本覚寺 開山の日出が、木更津八幡宮別当との論争に勝利して得た梵鐘です。 「石渡造左衛門という者が担いで持って帰ってきた」という伝説が残されています。 この外、鎌倉最古の梵鐘といわれる 常楽寺 の梵鐘は、 鎌倉国宝館 に寄託されています。 長谷寺 の梵鐘も 常楽寺 ・ 建長寺 に次ぐ古鐘ですが、現在は 長谷寺 の宝物館に置かれています。 ~除夜の鐘がつける寺~ 大船観音寺 (23時から先着順に整理券配布) 浄智寺 (先着108名:23時から整理券配布) 長谷寺