別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




okadoのブログは、『中世歴史めぐりyoritomo-japan』の別冊。
京都・奈良・平泉・鎌倉などの寺社・歴史・人物・伝説・文化・自然・花などの情報をお伝えします。


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2025年11月18日火曜日

午年も鎌倉江の島七福神




七福神は福をもたらしてくれる神さま。

一般的には、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、布袋、寿老人。

鎌倉江の島七福神は、弁財天が二ヶ所ありますので、合計八ヶ所を巡ります。


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夷尊神 本覚寺

本覚寺夷尊神は、鎌倉幕府の守護神として源頼朝によって祀られたのが始まり。

正月は鎌倉えびす!縁起物の福笹や夷堂由来のにぎり福を授与していただけます。



釣り竿を持って鯛を抱えているえびすさん。

イザナギ(伊耶那岐命)とイザナミ(伊耶那美命)の子といわれますが、『日本書紀』では3歳になっても歩けなかったことから、天磐櫲樟船(アメノイワクスフネ)に乗せられて流されたのだとか。

流れ着いた地で神として祀られ、漁業の神・商売繁盛の神として信仰されてきました。

「福男選び」で知られる兵庫県の西宮神社の十日えびす「えべっさん」は、えびす様が白馬に乗って氏子町内を巡行する日といわれています。


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大黒天 長谷寺

長谷寺大黒堂に安置されているのは「出世開運授け大黒天」。



打ち出の小槌に大きな袋を持った大黒さま。

もとはインドの神さまで、日本では大国主命と習合して、仏教の守護神として、開運招福の神として信仰されてきました。

最澄が比叡山に祀ったのが始まりなのだとか。


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弁財天 鶴岡八幡宮

鶴岡八幡宮旗上弁財天社は武運長久の守護神。

かつて安置されていた弁財天は鎌倉独特の彫刻技法の「裸弁財天」


弁財天 江島神社

江島神社辺津宮にある八角の奉安殿に安置されているのは、裸弁財天で知られる「妙音弁財天」と、源頼朝が勧請したとも伝えられてきた「八臂弁財天」。



琵琶を抱えている弁天さま。

もとはインドの神さまで、日本では奈良時代から信仰されてきました。

東大寺法華堂の弁財天像は、日本最古の尊像といわれています。

源頼朝が信仰した江の島弁財天は、弁財天信仰発祥の島の竹生島弁財天・平清盛が信仰した厳島弁財天とともに日本三大弁天の一つに数えられています。


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毘沙門天 宝戒寺



右手に宝棒、左手に宝塔を持つ毘沙門さま。

もとはインドの財宝の神さまで、日本へ伝わる途中で武神として信仰されるようになったのだとか。

仏教の守護神である四天王の一つとして祀られるときは多聞天と呼ばれます。

日本の毘沙門天信仰の発祥の地は、源義経が幼少期を過ごした京都の鞍馬寺

日本には毘沙門天は馬によってやってくるという伝承も。


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福禄寿 御霊神社

御霊神社福禄寿は9月の例大祭で行われる面掛行列の福禄の面にちなむもの。



杖をつき、経巻を持つ福禄寿。

中国では南極星の化身とされる神さま。

その名のとおり、福(幸福)・禄(財産)、寿(健康長寿)の神さま。


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寿老人 妙隆寺

妙隆寺寿老人は欅一木造りの尊像。



杖をついて巻物を持っている寿老人。

中国の伝説の人物なのだとか。

不老長寿の象徴である鹿を従えていたり、桃を持っていたりする・・・


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布袋尊 浄智寺

浄智寺布袋尊のお腹を撫でると元気がもらえるのだとか。



大きなお腹に宝物の入った袋を持っている布袋さま。

中国の禅僧布袋和尚を神格化したもの。

福徳円満の神さま。




鎌倉江の島七福神


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七福神信仰の歴史

鞍馬寺の白馬伝説


藤沢七福神めぐり

都七福神


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2025年11月16日日曜日

住吉大社に神馬を奉納した源頼朝~2026年は午年~




住吉大社は、源頼朝ゆかりの社。

『吾妻鏡』によると、1195年(建久6年)、東大寺大仏殿落慶供養参列のため上洛していた頼朝は、住吉大社に梶原景時を代参させ、幣帛(布)を納め、神馬を奉納しています。

夕刻になって到着した景時は、和歌一首を釣殿の柱に貼ったのだといいます。

我君の
手向の駒を
引つれて
行末遠紀
志るしあらはせ


「頼朝様からの馬を連れてきましたので、行く末永く、御武運や御繁栄の験を現してください」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


古代から日本には、祈願のために神が騎乗する馬(神馬)を奉納する習わしがありました。

現在では、馬の像や絵馬で代用されたりしていますが、住吉大社では生きた馬が飼育されています。

住吉大社の神馬は代々白馬。

1月7日の「白馬神事」(あおうましんじ)は、宮中で行われていた「白馬節会」を伝承している神事。

「年初に白馬(青馬)を見れば年中の邪気が祓われる」

といわれています。




住吉大社


白馬節会

青馬「池月」


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2025年11月15日土曜日

運慶の子康運と孫康円の仏像~東京国立博物館 運慶祈りの空間~


東京国立博物館では「運慶 祈りの空間 興福寺北円堂」が開催されていますが、別室の東博コレクション展(平常展)では、運慶とともに東大寺金剛力士像を造立した快慶、運慶の子とされる肥後定慶、孫の康円の仏像も拝観できます。


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菩薩立像

東京国立博物館所蔵の菩薩立像は、肥後定慶の作とされています。

肥後定慶は、京都の鞍馬寺の聖観音像や大報恩寺(千本釈迦堂)の六観音を造立したことで知られていますが、

肥後定慶とは・・・

運慶の次男・康運のこととする説が有力。

京都栂尾の高山寺の縁起によると、康運は定慶に改名しているのだとか。

参考までに、鎌倉の明王院不動明王坐像は肥後定慶の作ともいわれています。


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愛染明王坐像

神護寺所蔵の愛染明王坐像(東京国立博物館寄託)は、康円の作とされています。

康円は運慶の孫で、康運の子ともいわれています。


参考までに・・・

愛染明王坐像
(五島美術館蔵)

この愛染明王は、鶴岡八幡宮に置かれていた運慶作と伝えられる愛染明王坐像


馬頭観音
(大報恩寺)

この馬頭観音は、肥後定慶(康運)が造立した大報恩寺(千本釈迦堂)の六観音の中の一つ。

運慶(親)-康運(子)-康円(孫)が表現した「忿怒」を見比べてみるのも面白いかも。


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運慶


運慶 祈りの空間


興福寺

興福寺北円堂


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2025年11月14日金曜日

白馬節会~年初めに白馬(青馬)を見ると邪気が祓われる!~




白馬節会(あおうまのせちえ)は、正月七日に行われていた天皇が白馬(あおうま・青馬)を観覧する儀式。

中国の故事に基づいたもので「年初めに白馬(青馬)を見ると、邪気が払われ、無病息災で過ごせる」という信仰からのもの。

もともとは青毛の馬を用いていたため「あおうまのせちえ」と読ませていますが・・・

平安中期以降は白馬が用いられたため「白馬」と書かれるようになったようです。


※白馬の画像は、以仁王を祀る高倉神社の神馬。


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~正月7日の神事として伝承~

京都の上賀茂神社では「白馬奏覧神事」(はくばそうらんしんじ)、大阪の住吉大社では「白馬神事」(あおうましんじ)として「白馬節会」を伝承しています。

茨城県の鹿島神宮の「白馬祭」(おうめさい)は、源頼朝の又甥にあたる四代将軍藤原頼経が宮中よりもたらした祭事と伝えられています。




白馬節会


青馬「池月」

馬頭観音



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2025年11月8日土曜日

2025秋の鎌倉:旧華頂宮邸の一般公開




旧華頂宮邸の秋の一般公開(建物公開)は、毎年10月に実施されてきましたが、2025年は11月となります。

【公開日時】
11月15日(土)・16日(日)。
10:00~15:00

屋根の銅が吹き替えられているので、上の画像とはちょっと違う雰囲気に。


【洋館とフランス式庭園の魅力】

11月30日(日)には講演と見学会のイベント「旧華頂宮邸 洋館とフランス式庭園の魅力」が実施されます。



旧華頂宮邸

旧華頂宮邸 洋館とフランス式庭園の魅力



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