別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2020年6月28日日曜日

水面に映る月を眺める水月観音~北鎌倉:東慶寺~


女性的な穏やかさが伝わる東慶寺「水月観音菩薩半跏像」

水辺に坐して水面に映る月を眺める姿を現していることから「水月観音」と呼ばれています。


 木造彩色水月観音坐像
南北朝時代の作。寄木造。
(神奈川県の重要文化財)


「水月観音菩薩半跏像」は、関東大震災後しばらくの間、鎌倉国宝館に寄託されていましたが、現在は「水月堂」に安置されています。

毎月18日の観音様のご縁日に拝観することができます。



 東慶寺水月堂

「水月堂」は、加賀前田家の持仏堂だった建物で、昭和34年に東慶寺境内に移築されました。



 東慶寺


莫煩悩 北条時宗 国難を救った英雄


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2019年8月8日木曜日

伝説の田代観音!~四万六千日:安養院田代寺~

古くは「朝詣り」とも呼ばれた「四万六千日詣り」

8月10日にお詣りすると4万6千日の間お詣りしたのと同じご利益があるだとか。

かつて、三浦半島の人たちは、夜明け前から提灯を下げ、名越の山を越えて、杉本観音長谷観音田代観音を巡り、最後に逗子の岩殿寺を巡って帰宅したのだといいます。



 安養院


安養院は、比企ヶ谷にあった田代観音堂が移されたことから、「田代寺」と呼ばれています。

田代観音堂は、源頼朝に仕えた田代信綱が、1192年(建久3年)創建したと伝えられる寺院。

板東観音巡礼三番札所。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

~宋からの観音像~

安養院千手観音は、田代信綱が建てた観音堂の本尊だった像で、胎内に信綱の守り本尊だった観音像を納めた像であることから、「田代観音」と呼ばれています。

田代信綱の観音像は・・・

986年(寛和2年)、東大寺の僧・奝然(ちょうねん)が宋に渡ったときに手に入れたものなのだそうです。

参考までに・・・

奝然は、京都の清凉寺に伝わる三国伝来の釈迦如来を持ち帰った事で知られています。

鎌倉の極楽寺の本尊清凉寺式釈迦如来は、清凉寺の三国伝来の釈迦如来を模刻したものです。


 安養院


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

その後・・・

奝然が宋より持ち帰った観音像は、後三条天皇から第三皇子の輔仁親王→その子の花園左大臣有仁卿→その子の伊豆国司中納言為綱卿→その子の田代信綱に伝わったといわれています。

したがって、信綱は後三条天皇の後胤ということになります。

1180年(治承4年)、源頼朝挙兵をすると、信綱はこれに従い、戦陣に向かうときは、必ずこの観音像を携えていたのだといいます。



(伊豆市田代の田代砦跡)



8月10日は朝詣り
 四万六千日

 鎌倉検定


 安養院






☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 ぼんぼり祭

 黒地蔵縁日

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

夏休み鎌倉計画!
 夏だ!休みだ!鎌倉だ!

 鎌倉の海水浴場

夏休み江の島計画!
 夏の江ノ島

 東洋のマイアミビーチ


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2018年1月16日火曜日

鎌倉三十三観音

 杉本寺

江戸時代に入ると、観音巡礼が盛んに行われるようになります。

鎌倉郡においても、鎌倉、横浜戸塚、藤沢などにまたがる鎌倉郡三十三箇所が設けられました。

しかし、明治に入って廃寺となってしまった寺も多く、昭和に入って鎌倉市内の寺院のみで三十三箇所が設けられています。

各寺院の詳しい情報は画像をクリック・タップ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

第1番
杉本寺
(十一面観世音)

たのみある しるべなりけり 杉本の 誓いはすえの 世にもかわらじ


第2番
宝戒寺
(准胝観世音)

みほとけに たのむちからの つよければ 水もほのほも 身にかかるかは


第3番
安養院
(千手観世音)

かれきにも 花さくちかい 田代寺 世をのぶつなの あとぞ久しき


第4番
長谷寺
(十一面観世音)

はせでらへ 詣りて沖を 眺むれば 由比のみきはに 立つ白波は


第5番
来迎寺
(如意輪観世音)

のちの世を かけてはたのむ 観世音 すくひたまえる あみはもらさし


第6番
瑞泉寺
(千手観世音)

はるは花 あきはもみじを あやにせし にしきの山に のぼるうれしさ


第7番
光触寺
(聖観世音)

やみの世を てらすほとけの みひかりに ふるる人こそ 実にぞうれしき


第8番
明王院
(十一面観世音)

ももあまり 八つとかぞふる わづらいを ひとたちにする ちえのいちはし


第9番
浄妙寺
(聖観世音)

はるばると まいりておがむ 観世音 ほとけのおしえ 弥陀の浄土へ


第10番
報国寺
(聖観世音)

よきにつけ あしきにつけて み仏の たのむわが身は いざくにのため


第11番
延命寺
(聖観世音)

うまれきて としのなきこそ ものうけれ たのむほとけの 慈悲にのびゆく


第12番
教恩寺
(聖観世音)

うえもなき ほとけののりに あう身こそ 世々にたうとき めぐみなりけり


第13番
別願寺
(魚籃観世音)

とかおもく まよいのつもる つゆの身も たのむ仏の ひかりにぞきゆ


第14番
来迎寺
(聖観世音)

たちいにも 念仏のこえを たづねつつ むかうる慈悲の ふかきみほとけ


第15番
向福寺
(聖観世音)

ふかき夜の ゆめにすくせし わが身にや さいはひにむく しるべなるらん


第16番
九品寺
(聖観世音)

なにはえの よきもあしきも おしなべて いまはの人の すくうのりかな







第17番
補陀洛寺
(十一面観世音)

みほとけの ちかいもふかき 海原の ひろき世にしく 慈悲のおしへは


第18番
光明寺
(如意輪観世音)

いつる日も 入る日とともに 南無阿弥陀 ほとけのひかり うけぬ日ぞなき


第19番
蓮乗院
(十一面観世音)

にごる世に まよふわが身の このままに はすのうてなに のるぞうれしき


第20番
千手院
(千手観世音)

かづかづの のぞみもとむる もろひとの ねがひをはたす ちかひをぞきく


第21番
鎌倉成就院
(聖観世音)

なにごとも こころのままに 成就院 ほとけのちかひ たのもしきかな


第22番
極楽寺
(如意輪観世音)

みのりとく わしのみやまを まのあたり 弥陀のみくにに 入るここちして


第23番
高徳院観月堂
(聖観世音)

かぎりなき いきとしいける ものをみな もらさでめぐむ 慈悲のちぶさに


第24番
壽福寺
(十一面観世音)

きよみづを てつ井にうつす 観世音 すゑの世までも ひかりかがやく


第25番
浄光明寺
(千手観世音)

ありがたや いづみがやつの きよみづに こころのあかを あらふもろ人


第26番
海蔵寺
(十一面観世音)

ふだらくの ちかひもひろき うめがやつ いろかもおなし のりのすがたぞ


第27番
建長寺妙高院
(聖観世音)

そめいろの かづかづうつる 世の中を ひとすじにとく みほとけののり


第28番
建長寺法堂
(千手観世音)

世の中の やみぢをてらす みほとけの きよきひかりの かぎりなければ


第29番
龍峰院
(聖観世音)

たづねやま わけ入りのりを きくときは とそつのにはも とほからぬなり


第30番
明月院
(聖観世音)

くももなき そらにぞすめる 月かけを おのがこころに うつし見るかな


第31番
浄智寺
(聖観世音)

けふよりぞ こがねのやまに 入りにけり きよきさとりの ちえをとりつつ


第32番
東慶寺
(聖観世音)

たのもしや ちかひのみちは ときはにて そのしるしある 松の岡やま


第33番
佛日庵
(十一面観世音)

ただたのめ 大慈のちかひ あまねくば けふもきえなん のちのちのみち






☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 鎌倉三十三観音

 数字で表された鎌倉の名所

 鎌倉手帳


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