別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』
2025年12月6日土曜日
初午 ~ 稲荷神の縁日 2026年(午年)は2月1日 ~
2月の最初の午の日は「初午」と呼ばれ、稲荷神の縁日とされてきました。
これは、稲荷社の総本社である京都の伏見稲荷大社の神が降臨したのが711年(和銅4年)2月7日の午の日だったことによるといわれています。
初午には全国の稲荷社で初午祭が行われますが、旧暦2月は農作業が始まる月。
稲荷神の使いは狐ですが、農耕に不可欠な馬にちなんだ祭も行われます。
農耕馬の守り観音として信仰されてきた埼玉県東松山市の白岡馬頭観音では、2月19日に例大祭が行われ、現在でも馬を参拝させる風習が残され、「神馬のお練り歩き」が行われています。
長野県などでは藁馬を作って餅を背負わせて道祖神に供えるという風習もあるようです。
源頼朝は、配流先の蛭ヶ小島で「かくれ里の稲荷」から受けた夢のお告げによって挙兵し、鎌倉に武家の都を築くことができたのだとか。
その「かくれ里」に建立されたのが佐助稲荷神社と伝えられています。
2026年(令和8年)午年の初午は2月1日(日)。
2025年12月5日金曜日
2025年12月4日木曜日
指さす方向に福がある!鎌倉初詣 浄智寺の布袋さん。
(鎌倉:浄智寺)
布袋さんは七福神の中で、唯一実在した人物。
中国の禅僧で本来の名は契此(かいし)。
いつしか「弥勒菩薩の化身」といわれるようになりました。
弥勒菩薩は、お釈迦様が亡くなってから五十六億七千万年後に降臨して、あらゆる衆生(生きとし生けるもの)を救済するといわれています。
(京都:萬福寺)
一般的には大きな袋を持っていますが、袋の中には財宝が入っていて、布袋さんの行く所には幸せがもたらされるのだとか。
しかし、浄智寺の布袋さんは袋を持っていません。
その代わり、福のある方向を指さしてくれています。
浄智寺の本尊は、釈迦如来(現在)・阿弥陀如来(過去)・弥勒如来(未来)の三世仏。
弥勒如来は、釈迦入滅後、56億7千万年後に現れ、未来に人々を救済するとされる仏。
布袋尊は、今の世を救う弥勒菩薩。
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2025年12月3日水曜日
歓喜天と毘沙門天~鎌倉宝戒寺の福徳や金運をもたらす神~
歓喜天(聖天)は仏教の守護神。
夫婦和合・子孫繁栄・無病息災など多くの御利益がありますが、巾着(砂金袋)をシンボルとしているため商売繁盛や金運の神としても信仰されています。
宝戒寺の木造歓喜天立像は、日本最古の木造聖天といわれ、二代住持の惟賢(足利尊氏の二男または弟)が安置したのだと伝えられています(秘仏 重要文化財)。
宝戒寺には毘沙門天も祀られています。
毘沙門天も仏教の守護神。
現代では福徳をもたらす福神としても信仰されています。
歓喜天と毘沙門天は、ともに福徳や金運をもたらす神ですが、毘沙門天は歓喜天の化身、あるいは、守り神であるという伝承もあるようです。
妻沼聖天山(埼玉県熊谷市)、生駒聖天(奈良県生駒市)、待乳山聖天(東京都台東区)は日本三大聖天(三大歓喜天)といわれますが・・・
生駒聖天(寳山寺)や待乳山聖天(本龍院)では歓喜天とともに毘沙門天が祀られているようです。
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2025年12月1日月曜日
午年の守護神 珊底羅大将~鎌倉初詣 覚園寺・辻薬師堂の十二神将~
十二神将は、薬師如来とその信仰者を仏敵から守護する12人の武神。
それぞれが十二支と方角、時刻の守護神。
平安時代以降、干支と関連付けられるようになり、一般的に午年の守護神は珊底羅大将(さんてらだいしょう)。
珊底羅大将
(鎌倉国宝館)
鎌倉で十二神将を安置する寺といえば覚園寺。
覚園寺は北条義時が建てた大倉薬師堂を前身とする寺で、創建時の大倉薬師堂には運慶の十二神将が安置されていたと伝えられています。
現在の十二神将は室町時代のもので、国の重要文化財。
鎌倉国宝館では辻の薬師堂に置かれていた十二神将を見ることができます。
辻の薬師堂の十二神将は、覚園寺の十二神将の原型ともいわれ、県指定の重要文化財。
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2025年11月30日日曜日
七福神の一員「毘沙門天」~京都・鎌倉・藤沢の毘沙門天~
鞍馬寺毘沙門天
日本の毘沙門天信仰は、聖徳太子が物部守屋との戦いの際に四天王像を祀って戦勝を祈願したことに始まると伝えられています。
四天王とは四方を守護する持国天・増長天・広目天・多聞天のこと。
北方を守護する多聞天は、単独で信仰される際には毘沙門天と呼ばれています。
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(京都)
毘沙門天信仰が庶民の間に広まるきっかけとなったのが鞍馬寺。
鞍馬寺は、770年(宝亀元年)に鑑禎(がんてい)が毘沙門天を祀ったことに始まります。
毘沙門天の縁日は寅の日。
聖徳太子が信貴山で毘沙門天王の加護を授かったのが「寅の年・寅の月・寅の日・寅の刻」だったからといわれますが・・・
鑑禎が鞍馬山に毘沙門天を祀ったのも寅の月・寅の日・寅の刻だったのだと伝えられています。
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東寺の毘沙門堂は、国宝の兜跋毘沙門天を安置するために建てられた堂。
兜跋毘沙門天は、939年(天慶2年)の平将門の乱の際に都の守護神として平安京の羅城門の上層に安置されたという像。
現在は宝物館に安置されています。
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(鎌倉)
白山神社は、源頼朝が京都の鞍馬寺から賜っという毘沙門天を安置した毘沙門堂が始まり。
1月8日の大注連祭では、毘沙門天の使いといわれるムカデに模した注連縄が奉納されます。
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(鎌倉)
鎌倉江の島七福神の毘沙門天は宝戒寺に。
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(藤沢)
白旗神社は源義経を祀る社。
毘沙門堂には義経が幼少期を過ごした鞍馬寺の毘沙門天が勧請されています。
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