石橋山の戦いに敗れて土肥山中に逃げ込んだ源頼朝を追う大庭軍の中に、のちに頼朝の片腕ともなる梶原景時がいました。
『吾妻鏡』によると、
景時は、頼朝の所在を知っていながら、「この山には人はいない」といって、大庭景親の手を曳いて傍らの山に上っていったといいます。
この間、頼朝は髷の中の正観音像を岩窟の中に置きます。
土肥実平がどうしてか尋ねると、
「景親ら平氏に首を討たれるときに、この正観音像を見ると、源氏の将軍らくしくないと非難される」
という理由だったといいます。
毎年4月に開催される湯河原町の土肥祭では「源頼朝の旗揚げ武者行列」があります。
源氏の白旗がなびく中、一人だけ平家の赤旗なのが梶原景時。
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2022年の大河ドラマ