別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2011年10月23日日曜日

不動明王像・愛染明王像の特別公開~鎌倉:浄光明寺~

浄光明寺では、本尊「阿弥陀三尊像」が東京国立博物館で開催されている「法然と親鸞ゆかりの名宝」に出展されているため、代わりに普段拝観することのできない、「不動明王坐像」と「愛染明王坐像」が特別公開されています。

平成23年10月20日から12月9日まで

拝観:木・土・日・祝の10:00~12:00 13:00~16:00(雨天中止)




収蔵庫では、「不動明王坐像」・「愛染明王坐像」と一緒に通称「矢拾地蔵」で知られる「地蔵菩薩立像」を間近に見ることができます。


不動堂

不動明王坐像は、通常は不動堂に安置され大晦日のみに公開されています。

10世紀に活躍した浄蔵貴所という僧が、傾いた八坂の五重塔を法力で元に戻した際、祈祷の本尊だったのがこの不動明王像だといわれ、文覚が鎌倉に持ってきたのだといいます。

そのため「八坂不動」と呼ばれています。

その他、文覚が以仁王の令旨をこの像の中に隠して運んだという伝説も残されているようです。

ただ、様式的には、南北朝から室町時代のものと考えられるようです。


(浄光明寺華蔵院旧蔵 鎌倉市指定文化財)



本堂

愛染明王坐像は、京都泉涌寺の第六世願行憲静が、元寇(蒙古襲来)調伏の祈祷の際に本尊として製作したものと伝わっています。

願行は、大山寺の国宝「鉄造不動明王像」を鋳造した人物です。
(※覚園寺には、試しに造ったと伝えられている「試みの不動」があります。)

ただ、この愛染明王像は、様式的には南北朝時代のものと考えられるようです。

付属の銘札には、1753年(宝暦3年)に水戸家当主の武運長久・息災延命のための修理が行われた旨が記されているそうです。


(浄光明寺慈恩院旧蔵 鎌倉市指定文化財)


収蔵庫

地蔵菩薩立像は、足利尊氏の弟直義の守り本尊といわれ、中先代の乱の折、矢が尽きてしまった直義に矢を拾い集めてくれたのがこの地蔵菩薩だったと伝えられています。

そのため、「矢拾地蔵」と呼ばれています。

鎌倉時代の作といわれ、本尊阿弥陀三尊像とともに収蔵庫に安置されています。

(浄光明寺慈恩院旧蔵 神奈川県指定文化財)


仏殿
収蔵庫前の仏殿は、永福寺から移築された建物ともいわれ、鎌倉市指定文化財です。

三世仏が安置されています。


浄光明寺
https://www.yoritomo-japan.com/page137jyokomyoji.htm
鎌倉手帳
https://www.yoritomo-japan.com/kamakura.html


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