源平最後の戦いとなった壇ノ浦。
はじめは優勢だった平家軍でしたが・・・
潮の流れが変わって形勢が逆転。
源義経の猛攻撃をうけて壊滅状態となり、敗北を悟った平家一門は次々と海上へ身を投じていきました。
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~安徳天皇の入水~
『平家物語』によると・・・
源氏の兵たちが平家の船に乗り移ってくると、二位尼(平清盛の妻時子)は、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を脇に挟み、草薙の剣(くさなぎ)を腰に差し、幼い安徳天皇を抱いて、ゆっくりと船の端に進んでいきました。
安徳天皇に「どこへ行くのだ」と問われた二位尼は、涙を流しながら
「君は、今の世に天子としてお生まれになりましたが、悪縁に引き寄せられ、御運はすでに尽きてしまいました。
まずは東に向かって伊勢大神宮を拝み、西方浄土の来迎の恩恵を受けるために念仏を唱えなさいませ。
この国は、辺地にある粟粒を散らしたような小国で、心苦しい場所です。
あの波の下にこそ、極楽浄土という素晴らしい都がございます。
そこへいっしょに参りましょう」
と答えます。
そして、「波の底にも都はありますよ」と慰めてから、深い海の底に沈んでいったのだといいます。
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~建礼門院の夢に出てきた竜宮城~
安徳天皇の母・建礼門院(平清盛の娘徳子)も海に飛び込んだのですが、助けられて都に戻ることになります。
『平家物語』によると・・・
播磨国の明石の浦(現在の兵庫県明石市)に着いた建礼門院。
うとうととしていると、昔の内裏よりもりっぱな所に、安徳天皇を参らせた平家一門の公卿や殿上人が礼義正しく並んでいる夢を見ます。
都を出てから、こんなに美しい所を見たことがありませんでした。
建礼門院が「ここは何という所ですか」と問うと、二位尼が「竜宮城という所です」と答えたのだとか・・・。
安徳天皇を祀る赤間神宮の水天門は、竜宮城をイメージした門。
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2022年の大河ドラマ