別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




okadoのブログは、『中世歴史めぐりyoritomo-japan』の別冊。
京都・奈良・平泉・鎌倉などの寺社・歴史・人物・伝説・文化・自然・花などの情報をお伝えします。


2025年8月29日金曜日

秀吉が秀長に宛てた書状~賤ヶ岳の戦い~




1583年(天正11年)3月、賤ヶ岳の戦いの際に、長浜城で指揮をとっていた羽柴秀吉(豊臣秀吉)が田上山砦に陣を張っていた弟の羽柴秀長(豊臣秀長)に宛てた書状(長浜城歴史博物館蔵)。




長浜城は、1574年(天正2年)に秀吉が築いた最初の居城。

1582年(天正10年)6月の本能寺の変後に行われた清洲会議で、長浜城は柴田勝家の支配となりますが、12月には秀吉が取り戻しています。



賤ヶ岳の戦い


長浜城


豊臣秀長








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大和郡山城


大和国の寺社勢力と豊臣秀長


大納言塚


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2025年8月28日木曜日

鎌倉の明王院の不動明王は運慶の子康運の作かも。




明王院は、四代将軍・藤原頼経が五大明王を祀る寺院として建立しました。

五大明王のうち鎌倉時代のものは不動明王のみですが、肥後定慶の作とされています。

肥後定慶とは?

運慶の次男・康運のこととする説が有力となっています。

京都栂尾の高山寺の縁起によると、康運は定慶に改名しているのだとか。

かつて、京都には運慶が建立した地蔵十輪院がありました。

地蔵十輪院が焼亡した後、廬舎那仏と四天王像が高山寺に移されたのだといいますが、四天王像のうちの広目天は康運の作でした。

『高山寺縁起』には「広目天康運 改名定慶」と記されているようです。

ということで、定慶=康運という推測が成り立つのだとか。


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伝統的工芸品に指定されている鎌倉彫のもとは・・・

東大寺大仏を鋳造した陳和卿が宋から持ってきた彫漆工芸。

それを康運が真似て仏具を作ったことに始まるのだと言われています。




明王院


五大明王 明王院









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運慶

2025年9月9日から
運慶 祈りの空間


興福寺北円堂


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2025年8月27日水曜日

面掛行列の阿亀~鎌倉坂ノ下 御霊神社例大祭~


御霊神社面掛行列は、神奈川県の無形民俗文化財に指定されている奇祭。

源頼朝の伝説も残されています。



阿亀と女


面掛行列は、爺・鬼・異形・鼻長・烏天狗・翁・火吹男・福禄・阿亀・女の面を付けた十人衆の行列。

その中心人物は、妊婦姿で特別に着飾った九番目の阿亀(おかめ)。

阿亀に付き従うのは天女姿の女(とりあげ)。


伝説によると・・・

源頼朝は非人頭の娘を身籠らせてしまします。

娘のもとへと通う頼朝の警護は非人たちが行ったそうですが、身分の低い者だったので、面を着けていたそうです。

それが面掛行列の起こりともいわれ、妊婦の阿亀(おかめ)が行列に加わっているのはそのためなのだとか・・・。




阿亀の大きなお腹は豊年・豊漁を呼び込むお腹です。

阿亀のお腹をさすると・・・

「安産の御利益」

子のない夫が阿亀の役を務めると・・・

「子宝に恵まれる」

と伝えられています。






「鶴岡八幡宮祭礼行列之図」は、江戸時代の鶴岡八幡宮の祭礼行列の様子を描いたもの。

その中には面掛行列も登場します。

御霊神社面掛行列は、鶴岡八幡宮の放生会で行われていた面掛行列に倣ったものといわれています。

その他、円覚寺洪鐘祭、山ノ内八雲神社例大祭にも面掛行列がありました。




面掛行列
9月18日

御霊神社例大祭


御霊神社









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甘縄神明神社例大祭


鶴岡八幡宮例大祭


浜降式:鶴岡八幡宮例大祭

鶴岡八幡宮神幸祭

鶴岡八幡宮例大祭流鏑馬


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運慶仏もある杉本寺の観音堂~鎌倉検定に出るかも?~





杉本寺は行基が開いたという鎌倉最古の寺。

本尊は行基・慈覚・恵心作と伝わる三体の十一面観音

『吾妻鏡』によると、1191年(建久2年)9月18日、源頼朝は杉本寺を参拝して修理代を寄進しています。

杉本寺の縁起によると、その時に本尊を内陣に安置させて秘仏とし、内陣前に運慶作の十一面観音像を寄進したのだといいます。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


2024年(令和6年)の鎌倉検定では、宝戒寺本堂内の仏像の配置が出題されました。

今年は杉本寺の出題があるかも。

杉本寺の観音堂には・・・

運慶作という地蔵菩薩

安阿弥(快慶)作という地蔵菩薩

昭和期に杉本寺の住職だった慈海僧正作の新十一面観音

宅間法眼作という毘沙門天

運慶作という観音三十三身

作者不明の不動明王

作者不明の賓頭盧尊者

なども安置されています。



鎌倉検定


杉本寺









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運慶

2025年9月9日から
運慶 祈りの空間


興福寺北円堂


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2025年8月26日火曜日

2025鶴岡八幡宮例大祭日程




鶴岡八幡宮例大祭は、1187年(文治3年)8月15日に源頼朝が催した放生会を起源とする祭礼。

現在は、9月14日から16日に行われています。


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【9月14日】

早朝、由比ヶ浜で禊(浜降式)が行われ、夕刻から宵宮祭となります。

宵宮祭 18:00~
和太鼓演奏 19:00~
(神童太鼓)
合唱会 16:00~
(北鎌倉女子学園コーラス部)
和太鼓演奏 19:00~
(神童太鼓)
献茶会 10:00~15:00
(宗徧流神奈川支部)
鎌倉囃子 終日
(大船地区)


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【9月15日】

神幸祭では、本宮の三基の神輿が二の鳥居まで渡御します。

例大祭 10:00~
神幸祭 13:00~
日本舞踊 18:00~
(吾妻君香社中)
献茶会 10:00~15:00
(池田宗房社中)
献華会 終日
(永野貫玉社中・鎌倉国際華道協会)
鎌倉囃子 終日
(腰越地区)


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【9月16日】

小笠原長清を祖とする小笠原家に伝えられた小笠原流流鏑馬が奉仕されます。

流鏑馬の後には、源頼朝の挙兵を支えた土肥実平焼亡の舞も。

流鏑馬神事 13:00~
焼亡の舞 16:00~
(土肥会)
鈴虫放生祭 17:00~
献茶会 10:00~15:00
(裏千家淡交会鎌倉支部)
献華会 終日
(永野貫玉社中・鎌倉国際華道協会)
鎌倉囃子 終日
(雪ノ下地区)


※日程は本日現在のものです。



鶴岡八幡宮例大祭


浜降式:鶴岡八幡宮例大祭

鶴岡八幡宮神幸祭

鶴岡八幡宮例大祭流鏑馬


鶴岡八幡宮






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甘縄神明神社例大祭


御霊神社例大祭

面掛行列


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2025年8月25日月曜日

運慶の金剛力士像~東大寺南大門~


1180年(治承4年)の南都焼討で焼かれてしまった東大寺

1203年(建仁3年)、東大寺復興の僧供養として再建された南大門には仁王像(金剛力士像)が安置されました。



阿形像は大仏師運慶と快慶が小仏師13人を率いて造立したもの。



吽形像は大仏師定覚および湛慶が小仏師12人を率いて造立したもの。



東大寺南大門



運慶


運慶願経


東大寺









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興福寺

興福寺北円堂


2025年9月9日から
運慶 祈りの空間


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