江の島の入口にある青銅鳥居は、1821年(文政4年)に再建されたもの。
その銘文には、鋳物師:粉川市正藤原国信、世話人:浅草新鳥越の八百屋善四郎、願主:新吉原の扇屋宇衛門、大黒屋勘四郎、松葉屋半蔵といった名が刻まれ、寄進者の中には松葉屋の花魁(おいらん)代々山という名もあります。
新吉原は、浅草にあった江戸幕府公認の遊郭。
相州江之嶋
弁才天開帳参詣群集之図
技芸の神として信仰を集めた江の島の弁財天。
江戸後期には、江戸から近いことから江の島詣が人気を集め、特に6年に一度の開帳の時には多くの参詣人で賑ったといわれます。
2025年の大河ドラマは「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。
新吉原で生まれ、多くの浮世絵師の作品を世に出した蔦屋重三郎が主人公です。
重三郎と組んだ喜多川歌麿や葛飾北斎は江の島の絵を描いています。
江ノ島岩屋の釣遊び
(喜多川歌麿)
相州江の島
(葛飾北斎)
江島神社の奥津宮の「八方睨みの亀」は、重三郎と交流があった酒井抱一が描いたもの。
酒井抱一は吉原のすぐ近くの下谷に居を構えて遊廓通いをしていた抱一は、青銅鳥居の寄進者の中にいる花魁の代々山を気に入っていたのだとか。
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