創建当時の鶴岡八幡宮は「鶴岡若宮」と呼ばれました。
「若宮」とは・・・
神霊を他所に分霊して祀った社という意味。
『吾妻鏡』によると、鶴岡八幡宮は、1063年(康平6年)に源頼義が由比郷に石清水八幡宮を勧請して創建したことに始まります。
石清水八幡宮の神霊をお迎えしているから若宮。
1180年(治承4年)に源頼朝が小林郷に遷座すると、由比郷の八幡宮は「下若宮」(しものわかみや)と呼ばれるようになります。
(由比若宮)
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鶴岡八幡宮から由比ヶ浜まで一直線に続く参道は若宮大路と呼ばれますが、鶴岡若宮への参道という意味で名付けられたのかと思われます。
よく静御前が舞ったのは若宮の回廊と言われますが、この若宮とは、現在の下宮(若宮)のことではなく鶴岡若宮のこと。
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鶴岡八幡宮は、1191年(建久2年)の焼失後の再建で上宮と下宮が建てられました。
下宮は若宮とも呼ばれますが、この場合の若宮は、本宮の祭神の子を祀った社という意味。
若宮には、仁徳天皇(にんとくてんのう)・履中天皇(りちゅうてんのう)・仲媛命(なかのひめのみこと)・磐之媛命が祀られています。
仁徳天皇は、本宮(上宮)の祭神応神天皇の子。
履中天皇は仁徳天皇の子。
仲媛命は応神天皇の皇后。
磐之媛命は仁徳天皇の皇后。
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