(建長寺法堂)
長谷の駕籠かきが江の島まで客を送った帰りのことでした。
暗くなった極楽寺切通から海辺へと下りてくると、女が建長寺まで送ってくれるよう頼んできます。
提灯をかざしてみると、その女はびしょ濡れでした。
身投げをしそこなったのだと思った駕籠かきは、関わり合いになるのを恐れて断りますが・・・
女は小判一枚を差し出してきました。
大金を見せられた駕籠かきは・・・
建長寺まで送ることとします。
女を乗せた駕籠かきはかなりの重さを感じたのですが、着物が濡れているせいだろうと思い、走り続けたのだそうです。
そして、巨福呂坂を越えて建長寺に到着。
女は、山門を抜けて方丈の前まで行ってくれるよう頼みます。
言われたとおりに方丈前まで運んで女を降ろしました。
女は、駕籠かきに後ろを振り返らないよう言いつけて方丈の庭へ入って行ったのだそうです。
気味が悪くなってきた駕籠かきが急いで帰ろうとすると、後方で大きな水音が・・・
振り返ってみると水煙のなかに龍の姿が・・・
驚いた駕籠かきが和尚さんに報告すると、和尚さんは平然として「あれはこの池の主だ」と言ったのだとか・・・
あとで駕籠かきが女からもらった小判を見てみると龍の鱗だったそうです。
建長寺の方丈は龍王殿と呼ばれます。
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特別公開4/28・29・30
端午の節句
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