★幼い頃からの友に出逢ったときの歌
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに
雲がくれにし 夜半の月かな
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★上賀茂神社の片岡社で詠んだ歌。
ほととぎす 声まつほどは 片岡の
森のしづくに 立ちやぬれまし
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★越前に下向する途中で詠んだ歌
三尾の海に 網引く民の てまもなく
立居につけて 都恋しも
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★越前に下向する途中で詠んだ歌
知りぬらむ 行き来にならす 塩津山
世にふる道は からきものとは
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★越前で初雪が降った日に
ここにかく 日野の杉むら 埋む雪
小塩の松に けふやまがへる
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★藤原宣孝の求婚の文に対する返歌
春なれど 白嶺の深雪 いや積り
解くべきほどの いつとなきかな
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★「早く都へ戻りたい」
ふるさとに 帰る山路の それならば
心やゆくと ゆきも見てまし
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★帰京途中に沖島を望んで
おいつしま 守りの神や いますらん
波もさわがぬ わらわえの浦
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★彰子に仕えた時に詠んだ歌
身のうさは 心のうちに したひきて
いま九重に 思ひみだるる
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