別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




okadoのブログは、『中世歴史めぐりyoritomo-japan』の別冊。
京都・奈良・平泉・鎌倉などの寺社・歴史・人物・伝説・文化・自然・花などの情報をお伝えします。


検索




2017年3月31日金曜日

鎌倉の名産品だった鰹!

鎌倉の海に鰹というふ魚は、かの境には雙なきものにて、この頃もてなすものなり。

それも、鎌倉の年寄の申し侍りしは、

「この魚、おのれ等若かりし世までは、はかばかしき人の前へ出づること侍らざりき。

頭は下部も食はず、切り捨て侍りしものなり」

と申しき

かやうの物も、世の末になれば、上ざままでも入りたつわざにこそ侍れ。


鎌倉時代の随筆『徒然草』には、このように記されています。


鎌倉の鰹が二つとないものとしてもてなされているが、鎌倉の年寄りも「自分が若い頃には、上級階級の食するものではなかった」・・・

というような内容のようです。

鰹のような魚を食するようになった世情を嘆いているのだとか・・・。


※『徒然草』(作者:吉田兼好)

鎌倉時代の末(1330年から1331年頃)に書かれたとされています。




江戸時代になると・・・


松尾芭蕉は「鎌倉を生きて出でけん初鰹」と詠みました。

山口素堂は「目には青葉やまほととぎすはつ松魚」と詠みました。

いずれも鎌倉の鰹を詠んだ句です。


江戸時代、鎌倉の獲れた鰹は早船で江戸に送られ、高値で取引されていたといいます。


伝えられている話では・・・

鰹の捕れる時期になると、由比ヶ浜の波打ち際に鰹が跳ね上がってきたそうです。

漁師はその鰹を鶴岡八幡宮へ初穂として供えたということです。


 鎌倉の海


 鎌倉手帳


よりともジャパン.com


検索

Translate