1180年(治承4年)10月、源氏再興の挙兵を果たし鎌倉に入った源頼朝は、先祖・源頼義が創建した由比若宮を現在地に遷し、鎌倉の街づくりの中心に据えました。
それが鶴岡八幡宮。
参道の若宮大路は、1182年(養和2年)、北条政子の安産祈願のために造営された鎌倉のメインストリート。
由比ヶ浜まで一直線に延びる道は京の朱雀大路を模したものといわれ、中央の一段高い段葛も同時期に造営されたものと考えられています。
~平安京の朱雀大路~
朱雀大路は平安京のメインストリート。
大内裏の正門・朱雀門から平安京の正門・羅城門まで延びる一直線の道。その幅は85メートルもあり、両側には柳が植えられていたのだといいます。
頼朝が京にいたころの朱雀大路がどのような状況だったのかは分かりません、頼朝の目の中には、きっと都のメインストリートの光景が焼き付いていたことでしょう。
羅城門の東西には王城鎮護のための東寺と西寺が配されていました。
~鶴岡八幡宮の参道~
(鶴岡八幡宮楼門前から)
頼朝は鶴岡八幡宮を内裏に見立て、若宮大路を造営したのだといいます。
若宮大路は由比ヶ浜の一の鳥居から続く道。
造営当初は段葛も一の鳥居から続いていたといわれています。
遠近法が用いられ鶴岡八幡宮に近づくほど道幅が狭くなります。
鶴岡八幡宮を遠くに見せるための仕掛け。
3枚上の写真でも分かるかと思いますが、鶴岡八幡宮から見た場合には一直線の道がはっきりと見えるようになっているようです。
段葛は整備工事中ですが、3月30日には竣功式が行われます。
一部の桜ですが、既に開花しています。
(3月17日)
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