別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2012年1月26日木曜日

土紋が施された如意輪観音・・・西御門:来迎寺

西御門来迎寺は、1293年(正応6年)の鎌倉大地震で亡くなった村人の菩提を弔うために建てられたという時宗の寺です。

開山は、一向とも一遍ともいわれていますが定かではありません。

本堂に安置されている「如意輪観音」は、鎌倉地方独特の装飾技法「土紋」が施されたもので、神奈川県の重要文化財に指定されています。


木造彩色 如意輪観音半跏像
(南北朝時代 寄木造)


もとは、源頼朝法華堂に安置されていた像です。

『吾妻鑑』には、「北条政子が如意輪観音を念持仏としていた」という記録があることから、この像が政子の念持仏として信じられてきました。

しかし、その様式からは、南北朝時代の作と考えられますので、「政子の念持仏」という説はないということになります。


この如意輪観音には次のような伝説があります。


その昔、「由比の長者」と呼ばれた長者がいました。

長者には、可愛がっていた娘がいました。

ある日、娘が由比ヶ浜で遊んでいると大鷲が舞い降りてきて娘をさらっていってしまいます。

知らせを聞いた長者は、八方手を尽くして探しますが・・・

見つかったのは娘の遺体でした。

長者は娘の供養のため、観音様の胎内に遺骨を納めたと伝えられています。


※その遺骨は箱に収められて来迎寺に保管されているそうです。


来迎寺
かつて西御門には・・・
太平寺、報恩寺、保寿院など7つの寺があったといいます。
しかし、現在残っているのは来迎寺のみです。




※来迎寺の如意輪観音は、鎌倉観音巡礼の第五番札所です。


鎌倉手帳
http://www8.plala.or.jp/bosatsu/kamakura.html