「光る君へ」第6話で、藤原道長は、まひろ(紫式部)に恋の歌を贈ります。
「ちはやぶる 神の斎垣も 越えぬべし 恋しき人の みまく欲しさに」
『伊勢物語』第七十一段「神のいがき(斎垣)」の歌で、伊勢の斎宮の御殿に勅使として参ったある男が、斎宮の女房と色好みの話をした際、女房が個人的な感情を詠んだもの。
(神域に巡らされた垣も越えてしまいそう。
宮廷からおいでになった方をみたくて・・・)
禁制を犯してまで逢いたいという思いを詠んでいます。
📎ちはやぶる 神の斎垣~伊勢物語と源氏物語の歌~
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斎宮は、伊勢神宮に奉仕した斎王。
紫式部の『源氏物語』では、六条御息所の娘が斎宮(斎王)になっています。
「賢木の巻」では、六条御息所は斎宮とともに伊勢へ下るため野宮に滞在。
そこへ、神の斎垣を越えて光源氏が訪れています。
野宮神社は、伊勢神宮に仕える斎王(斎宮)が伊勢に赴く前に身を清めたという「野宮」の一つだった地に鎮座する社。
六条御息所の娘は、帰京後、光源氏の養女となって冷泉帝に入内し、秋好中宮と呼ばれます。
📎ちはやぶる 神の斎垣~伊勢物語と源氏物語の歌~
次回は
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