千姫は、徳川二代将軍秀忠の長女。
母は秀忠の継室の江(ごう・崇源院)。
豊臣秀頼室。
東慶寺二十世・天秀尼の養母。
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千姫は、1615年(慶長20年)、大坂夏の陣で秀頼の側室の子奈阿姫が処刑されそうになった際、徳川家康に助命嘆願して助けます。
そして、奈阿姫は出家して天秀尼と号して東慶寺に入りました。
1643年(寛永20年)、千姫は養女天秀尼のいる東慶寺の伽藍を再建しています。
1666年(寛文6年)2月6日、江戸で死去(享年70歳)。
現在の東慶寺の書院は、1923年(大正12年)の関東大震災で倒壊後に再建されたものですが、それ以前の書院は、1634年(寛永11年)に千姫が東慶寺の伽藍を整備した際に、徳川忠長屋敷から移築された建物でした。
現在の建物は、その当時の間取りで再建されたものなのだそうです。
横浜の三溪園にある旧東慶寺の仏殿は、千姫の寄進と伝えられています(国重文)。
東慶寺には、二十世の天秀尼が大坂夏の陣で滅んだ父豊臣秀頼の菩提を供養するために、1642年(寛永19年)に鋳造したという雲版が残されています。
(京都:知恩院)