隠れ里・・・
世を避けて隠れ忍んで生活する人たちの里。
その里は、山奥や洞窟の奥などといった別天地にあって、争いもなく日々が平和で、庶民が求める理想郷であったのだとか。
鎌倉にも隠れ里がありました。
そこが佐助ヶ谷。
そんな隠れ里の神が源頼朝の夢の中に現れます。
その一人が宇賀神。
頼朝は宇賀神に隠れ里の霊水に祈るように告げられ、その霊水を見つけて宇賀神を祀ったのだといいます。
それが銭洗弁財天宇賀福神社。
宇賀神とはどういう神なのか・・・
詳しい事は不明ですが、蛇神・龍神の化身ともいわれ、その姿は頭が人で体は蛇。
中世以降、宇賀神は比叡山の信仰対象となり、のちに仏教の神である弁財天と合体したのだとか。
もう一人、頼朝の夢の中に現れた隠れ里の神がいます。
それは、稲荷神(宇迦御魂命)。
頼朝が伊豆の流人だった頃のこと。
頼朝は稲荷神に挙兵するよう告げられ、そのとおり挙兵した頼朝は、見事に鎌倉に武家政権を樹立しました。
のちに隠れ里で稲荷の祠を発見した頼朝は、畠山重忠に命じて社殿を建立したのだそうです。
それが佐助稲荷神社。
佐助稲荷神社の祭神・宇迦御魂命は、穀物の神。
銭洗弁財天宇賀福神社の祭神・宇賀神の「宇賀」は、宇迦御魂命の「宇迦」に由来するとも言われています。
もしかすると、頼朝の夢の中に現れた宇賀神と稲荷神は同じ神だったのかも・・・
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