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2013年3月22日金曜日

芥川龍之介の小説『羅生門』


芥川龍之介の『羅生門』は、平安京の朱雀大路の南端にあった羅城門を舞台とした小説。


ある男が、仕えていた家を解雇され、盗人にでもなろうとしたのだが、その勇気も出ずに羅城門(羅生門)で途方に暮れていると、羅城門(羅生門)の上層で老婆が松明を灯し、女の死骸から髪の毛を抜いているのを見た。


(正義の勇気)

男は、その老婆の行動に憎悪を覚え、刀を抜いて老婆に襲いかかり、老婆の骨と皮ばかりの腕をつかんで、「何をしていた」と問いただした。


(生きるための行動)

すると老婆は、「この髪を抜いて鬘(かつら)にしようと思った」と答えた。

さらに・・・

「死人の髪の毛を抜くというのは悪いことかもしれない。だが、生きるためには仕方のないこと。

この女だって生前は、蛇の干物を干魚だと偽って売っていた。これも生きるためには仕方のないこと。

きっとこの女は髪の毛を抜いたことを許してくれるだろう」

と言う。


(悪になる勇気)

それを聞いた男は、盗人になる勇気を持ち、老婆から着物を剥ぎ取り、「己もこうしなければ、餓死をする体なのだ」と言って闇の中へ消えていった。

その後の男の行方は誰もしらない。


というのが小説『羅生門』の内容。

平安時代の荒れた状況と、人間の利己主義を描いた傑作です。




羅城門は、平安京の朱雀大路の南端にありました。

都が地震、竜巻、火災、飢饉などの影響で荒れていく中、羅城門は死体の捨て場となっていたといいます。

平安京遷都時には、羅城門の東西には王城鎮護の寺として東寺西寺が設置されました。

しかし、今残されているのは東寺のみです。


東寺



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