『大鏡』によると・・・
有明の月がまだ明るい時刻、藤原道兼に連れられて内裏を抜け出した花山天皇。
花山寺(元慶寺)に到着すると剃髪しますが・・・
一緒に出家して弟子となる約束をしていた道兼は、
「まだ父に出家の事を告げていないので、出家前の姿を一目見せてから・・・」
と退出しようとします。
すると花山天皇は
「私を騙したのだな」
と泣きながらおっしゃったのだとか。
984年(永観2年)に即位した花山天皇は、986年( 寛和2年)6月23日、元慶寺で出家。
僅か2年の在位でした。
道兼の父兼家は、一条天皇が即位したことで摂政となっています。
一条天皇の母は道兼の妹・詮子。