滋賀県大津市で江戸時代から知られている民俗絵の「大津絵」(鬼の寒念仏)。
子どもの夜泣きや雷除けとして旅人たちの土産物や護符として知られていたそうです。
寒念仏とは、僧が小寒から立春の前日までの寒の30日間の明け方に、山野に出て声高く念仏を唱えること。
また、俗人は家々の門前で念仏を唱えて徳に感謝して請い歩くこと。
上の写真は鎌倉:英勝寺の総門前にいた鬼。
鬼が袈裟衣を着て、首から鉦(しょう)を下げて、左手に奉加帳、右手に鉦を打つ槌(つち)を持っています。
大津絵の鬼もこういう姿をしているようです。
大津絵に添えられる道歌(教訓的な短歌)には「慈悲もなく、情けもなく、念仏をとなふる人の、すがたとせんや」というものがあるようです。
慈悲ある姿とは裏腹な偽善者を批判している歌のようです。
鬼は人の心の中に住んでいます。
人は欲が深く、自分の心に逆らうものを憎み怒り、言ってもしかたがない事を言っては嘆く。
その度に、角を生やすのだとか。
鬼の灌仏会の姿は、私たちにさりげなくそれを教えてくれているのだそうです。
英勝寺の鬼は、毎年、ゴールデンウィーク中に総門の前に立って皆さんをお迎えしています。
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端午の節句
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