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源頼朝は社頭の東方の設置された仮屋に着座。
御家人らがその南北に座しました。
そして、大工たちに褒美の馬が与えられます。
このとき、頼朝は馬を引く役を弟の義経に命じました。
しかし、義経は「その場合、下の手綱を引く者がいません」と断ります。
「上の手綱を頼朝の弟である義経が引いてしまうと、下の手綱を引く身分の者がいない」ということのようです。
この義経の言動に対して頼朝は、畠山重忠や佐貫広綱の名を出して「身分の低い者の役目だと思って断るか」と激怒したのだといいます。
それに恐怖した義経は、二頭の馬を引きます。
一頭目の下の手綱は畠山重忠、二頭目の下の手綱は佐貫広綱が引きました。
その後には、土肥実平、工藤景光、仁田忠常、佐野忠家、宇佐美実政らが引いて式典を終えています。
「たとえ兄弟であっても、義経は御家人の一人にすぎない」ということを認識させた事件となりました。
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