別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2017年10月24日火曜日

京都:宇治茶の始まり。

宇治茶は、静岡茶・狭山茶と並んで日本三大茶と呼ばれます。


 高山寺

栂尾の高山寺は、華厳宗の僧・明恵が中興した寺(世界文化遺産)。

明恵は、栄西からもらった茶の種を山内に植えました。

そして、茶を育成します。


 高山寺茶園
(高山寺)

栂尾で育成された茶の木は、宇治へ移植されます。



宇治市にある萬福寺は、禅宗の一つ黄檗宗の大本山。

中国明朝風の伽藍が並ぶ寺です。

山門前には「山門を出れば日本ぞ茶摘うた」という句碑があります。


 萬福寺菊舎句碑
(萬福寺)


そして総門の前にあるのが「駒蹄影園(こまのあしかげえん)址」の碑。

 駒蹄影園

高山寺の明恵は、この辺りに栂尾で育てた茶を移植させたといいます。

伝説による、明恵から茶の木を与えられた里人でしたが、それをどのような間隔で植えたらよいのかわかりません。

すると、明恵が畑に馬を乗り入れ、馬の蹄の跡に植えるよう指示したといいます。

碑には「栂山の尾上の茶の木分け植えてあとぞ生ふべし駒の足影」と刻まれています。

そして、この移植が宇治茶の始まりとなりました。



平等院の表参道には、宇治茶の店が並んでいます。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

参考までに、静岡茶は東福寺の円爾(えんに)が宋から持ち帰った茶の種を郷里の駿河国に伝えたのが始まりといわれています。

また、狭山茶は埼玉県川越市の中院を創建した円仁(慈覚大師・第三代天台座主)が京より伝えたのが始まりといいます。


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