お釈迦さまは、旅先で食中毒にかかり、クシナガラ郊外の沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で、頭を北、顔を西に向けて横たわり入滅したと伝えられています。
その日が2月15日といわれ、釈迦の死を「涅槃」と呼びます。
お釈迦さまの臨終の様子を描いたのが仏涅槃図。
お釈迦さまの周りには大勢の人々や様々な動物たちの嘆き悲しんでいる様子が描かれています。
上方に描かれているのは、お釈迦さまを生んで7日目で亡くなったという摩耶夫人。
上空から「生き返ることのできる霊薬の入った巾着袋」を投下するのですが、沙羅双樹の木に引っかかってしまい、残念ながらお釈迦さまには届きませんでした。
多くの動物たちが描かれている涅槃図ですが、そこに猫が描かれることは少ないようです。
「沙羅双樹の木に引っかかってしまった霊薬入りの巾着袋を、お釈迦さまのために鼠が取りに行ったところ、猫がその鼠を邪魔したため、お釈迦さまが薬を飲むことができなかったため」なのだそうです。
お釈迦さまが入滅した2月15日には、各寺院で「涅槃図」が掲げられ「涅槃会」が行われます。
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京都の東福寺の大涅槃図には、猫が描かれています。
涅槃図が描かれるときに、一匹の猫が絵具を咥えて持ってきたので、罪を許されて描かれたのだとか・・・
東福寺の涅槃会は3月14日~16日。
猫が描かれた大涅槃図が公開されます。
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~沙羅双樹~
お釈迦さまが涅槃に入られたのが沙羅双樹の下だっといわれています。
ただ、その沙羅双樹とは異なるようです。
日本では、沙羅双樹の代わりにナツツバキが植えられることが多いのだとか。
ナツツバキは朝開花して夕方には落ちてしまう一日花。
「ハクウンボク」を沙羅双樹の木とする場合もあります。
『平家物語』では・・・
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」
と語られています。
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