安産祈願の寺として知られている大巧寺。
「おんめさま」と呼ばれますが、本尊の「産女霊神」(うぶめれいしん)が転訛してそうよばれるようになったのだとか・・・。
伝説によると・・・
第五世の日棟が、早朝、妙本寺に参るため滑川を渡ると、
ひとりの女が泣いていました。
女の髪は乱れ、血だらけの衣服を着て、赤ん坊を抱えています。
どうしたのか日棟が尋ねると、
「難産で死んだのですが、川の水がきたない血になって渡れず、子どもが乳房に吸いついて泣くので苦しくてたまりません」
と答えます。
日棟は、女に仏の教えを説き、経を唱えさせます。
すると、女の姿は見えなくなりました。
それから数日後、女が日棟の前に現れ、苦しみを取り除いてくれたお礼にと、生前に蓄えたというお金を持ってきました。
日棟は、そのお金で女をお産を守る「産女霊神」として大巧寺に祀ったのだといいます。
女の持ってきたお金の包について、夫の秋山勘解由に確かめたところ、女が貯めていた包に間違いないということだったようです。
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