佐藤禅忠(ぜんちゅう)、東慶寺男僧三世住職。
住持4年目の大正12年に関東大震災が発生、東慶寺の伽藍は鐘楼を残して全てが倒壊するという甚大な被害に見舞われました。
伽藍再建のために奔走し、現在私たちが目にする境内の景観を作り上げたのは、この時の禅忠和尚の尽力によるものです。
書画をこよなく愛した禅忠和尚は、自らを「空華道人(くうげどうにん)」と称し、観音・達磨・布袋・花鳥風月などを題材に、数多くの書や画を残しました。
とりわけ、海外にて出版された鈴木大拙著「THE TRAINING OF THE ZEN BUDDHIST MONK」では、挿絵の全てを禅忠和尚が描き、昭和9年9月天皇に献上され天覧を賜りました。
まるで布袋様のような風貌をし、情愛厚く、常に笑みをたたえ、終生仏法を広くひろめることに精進した禅忠和尚の足跡をたどる展覧会です。
(東慶寺のポスターより)