新古今和歌集にも載せられている西行法師の「こころなき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮」という歌は、大磯の鴫立沢という所で詠まれたと伝えられています。
「旧跡鴫立沢」の碑
現在の鴫立沢の地名は、西行を記念するために後人が歌にふさわしい場所を選んで付けたもので、西行が詠んだ鴫立沢がこの辺りだったのかどうかは不明です。
鴫立庵の門
鴫立沢の「鴫立庵」は、小田原の崇雪という人が草庵を結んだのが始まりです。
当初は西行寺を作るのが目的だったといいます。
俳諧道場
鴫立庵の俳諧道場は、京都の落柿舎、滋賀の無名庵と並ぶ日本三大俳諧道場です。
法虎堂
堂内には、有髪僧体の虎御前19歳の木像が安置されています。江戸吉原から寄進されたものと伝えられています。
虎御前は、仇討ちで知られる曽我兄弟の兄十郎祐成の妾。『吾妻鏡』にも「虎」という名で登場しています。
虎御前の木像
円位堂
堂内には、西行法師の坐像が安置されています。
西行像
観音堂
本尊の観音菩薩は、中国の革命家・孫文の持仏で、二千年を経た化石仏です。
茶室
沢
鴫立庵内に建てられた標石の裏には、「著盡湘南 清絶地」とあることから、「湘南」という言葉は、この標石が始まりともいわれています。