別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2011年1月21日金曜日

妙本寺のカイドウ~鎌倉三大カイドウ~

かつて、妙本寺には、「鎌倉三大カイドウ」の一つに数えられ、小林秀雄が『中原中也の思ひ出』に描いた有名な木があったそうです。



『中原中也の思ひ出』

花びらは死んだ様な空気の中を、まっ直ぐに間断なく、落ちていた。

樹陰の地面は薄桃色にべっとりと染まっていた。

あれは散るのじゃない、散らしているのだ、

一とひら一とひらと散らすのに、きっと順序も速度も決めているに違いない、

何という注意と努力、

私はそんな事を何故だかしきりに考えていた。



現在も祖師堂の両側にカイドウが植えられています。

現在のカイドウは、『中原中也の思ひ出』に描かれた木から三代目に当たるそうです。


小林秀雄と中原中也は、長谷川泰子という女性のことでいろいろとあったようですが、妙本寺のカイドウの木の下で和解したという話もあります。

実際は、もっと前に和解していたようですが・・・。

カイドウの木の下で話した後、鶴岡八幡宮近くの茶店でビールを飲んだという話も残されています。

「和解した後、ビールで乾杯した」ということでしょうか。



妙本寺
鎌倉手帳