『源氏物語』の登場人物・冷泉帝は、藤壺中宮が産んだ桐壺帝の第十皇子。
光源氏の異母弟になりますが・・・
実は光源氏と藤壺の不義の子。
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光源氏は、桐壺帝が寵愛していた桐壺更衣が産んだ第二皇子。
しかし、3歳で母を亡くしました。
桐壺帝は、桐壺更衣が亡くなると、桐壺更衣に瓜二つの藤壺を入内させますが・・・
やがて光源氏は藤壺に恋をします。
そして、病気になった藤壺が里下がりしたときに関係を持ち、光源氏に生き写しの男児が生まれることに。
その男児が冷泉帝。
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諸説あるようですが、『源氏物語』の桐壺帝のモデルは一条天皇、桐壺更衣のモデルは藤原定子とも・・・
一条天皇は藤原定子を寵愛していましたが、桐壺帝は桐壺更衣を寵愛していました。
そして・・・
定子は第一皇子の敦康親王が幼い頃に亡くなり、桐壺更衣も光源氏が幼い頃に亡くなりました。
光源氏は・・・
美男だったという敦康親王がモデルの一人ということもあるのかも。
彰子が藤壺のモデルということも。
大河ドラマ「光る君へ」では・・・
彰子は自分を紫の上とかさねていたようですが・・・
紫の上は藤壺の姪で光源氏の最愛の妻となる人。
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冷泉院は、弘仁年間(810-824)に嵯峨天皇の離宮として造営されたことに始まります。
譲位した上皇の後院(譲位した後の御所)として利用されました。
造営当時の名は「冷然院」でしたが、度重なる火災で焼失したため、「冷泉院」と改められたのだとか。
『源氏物語』では譲位後の冷泉帝の御所となりました。
鈴虫の巻では、光源氏が訪問しています。
冷泉帝は、出生の秘密を明かされて悩み苦しんだときもあったようですが、光源氏の養女・梅壺女御を中宮とし(秋好中宮)、光源氏を太政大臣とするなどの孝行を尽くしました。
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紫式部の泉
石山寺の紫式部の泉は『源氏物語絵巻』をモチーフにした噴水。
我が子ならぬ我が子を抱く光源氏。
実は光源氏の次男・薫も女三宮と柏木との不義の子。
薫は六条院で育ちますが、光源氏が亡くなった後は冷泉院と秋好中宮に可愛がられて育てられました。
冷泉院は、薫の出生の秘密を知らず、異母弟と思っていたようです。
成人した薫は「宇治十帖」の中心人物の一人となります。
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参考までに・・・
大河ドラマ「光る君へ」では紫式部の娘・賢子は藤原道長との不義の子のようですが・・・
賢子も恋多き女性だったようです。
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