多賀城碑は、陸奥国府が置かれていた多賀城に建てられた碑。
平城京、蝦夷国、常陸国、下野国、靺鞨国から多賀城までの距離が記されています。
靺鞨とは、度々日本に使節を派遣していた渤海のこと。
渤海使節は、７２７年（神亀４年）から９２０年（延喜２０年）までの約２００年間に３０数回渡来しているのだといいます。
能登国の能登客院や越前国の松原客館に滞在し、都にも宿泊施設の鴻臚館がありました。
平安宮の豊楽殿では、渤海使による打毬が行われたようです。
『源氏物語』～桐壺巻～には・・・
桐壺帝が幼い光源氏を鴻臚館滞在していた高麗人に人相占いさせている様子が描かれています。
作者の紫式部の父藤原為時は、越前国敦賀に滞在していた宋の商人・朱仁聡らの交渉相手として越前守に任命されたといわれています。
越前国の松原客館は、気比の松原や気比神宮周辺にあったと言われ、渤海滅亡後も宋の商人や官人の迎賓・宿泊施設として使用されていたようです。
都の鴻臚館は、渤海使のために建てられた迎賓施設。
松原客館に滞在していた渤海使は、都からの使者に伴われ、深坂峠を越えて塩津浜から舟で琵琶湖を渡り、大津から鴻臚館に入りました。
８２２年（弘仁１３年）に渤海国の国使が豊楽殿で打毬を行ったという記録が残されています。
多賀城には陸奥国府や鎮守府が置かれ、『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルとされる源融や藤原実方も赴任。
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