かつての関東十刹に数えられた寺のうち,鎌倉市内には現存するものがいくつあるか。
1 4つ 2 3つ 3 2つ 4 1つ
正解は「3」なのですが、十刹とは何か?
十刹とは臨済宗寺院の寺格で五山の次に置かれました。
成立は鎌倉時代末と考えられているようです。
当初の十刹には、後に五山へ昇格する浄妙寺も含まれていました。
室町時代になると天下十刹が定められ、変遷があった後、足利義満のときの五山制度改革によって、五山は鎌倉五山と京都五山に、十刹は関東十刹と京都十刹に分けられたようです。
鎌倉検定の問題に戻ります。
正解は「3」の2つということですが、その2つとはどこなのか?
瑞泉寺と大慶寺です。
五山制度改革によって定められた関東十刹のうち鎌倉の寺院は、禅興寺(廃寺)・瑞泉寺・東勝寺(廃寺)・万寿寺(廃寺)・大慶寺・興聖寺(廃寺)・善福寺(廃寺)・法泉寺 (廃寺)だったようです。
(明月院)
明月院の門前に建つ碑には、本朝十刹第一位と刻まれています。
禅興寺は、五山制度改革前から十刹に定められていた寺院。
明月院は禅興寺の支院の首位に置かれていました。
瑞泉寺は、鎌倉公方の菩提寺として栄え、塔頭も十二院を数えていたといいます。
五山制度改革前には準十刹に定められていたようです。
東勝寺も五山制度改革前から十刹に定められていたようです。
かつての大慶寺には塔頭が五つあったといわれています。
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~参考~
1323年(元亨3年)、円覚寺では九代執権北条貞時の十三回忌供養が盛大に行われました。
鎌倉とその近傍の禅宗寺院38寺から2030人の僧が参集したそうですが、各寺院の参列者の数で当時の寺の規模がわかるようです。
📎北条貞時十三回忌供養