『平家物語』によれば・・・
軍議の席で梶原景時は先陣を望むのですが・・・
義経は「義経がいなければ」と断ります。
景時が「あなたは大将軍ですよ」と言うと、
「とんでもないこと。大将軍は鎌倉殿(源頼朝)。自分はその命に従っているだけ。貴殿らと同じである」
と言い返す義経。
すると景時は、
「生まれつき、ここ方は侍の主君にはなれない」
とつぶやきます。
それを聞いた義経が「日本一の愚か者」と言って太刀の柄に手をかけると、景時は「自分にとっても主君は鎌倉殿のみ」と言い返して太刀の柄に手をかけます。
景時の周りに子の景季、景高、景家が集まると、佐藤忠信、伊勢義盛、弁慶といった一人当千の者が景時らを取り囲みます。
あわや同士討ちとなるところを、義経には三浦義澄が、景時には土肥実平がかみつき、
「この大事を前に同士討ちをすれば、平家は勢いづくことでしょう。
このことが鎌倉殿に聞こえたなら、ただではすみません」
と諌めて収まりました。
それ以降、景時は義経を憎み、ついには讒言して義経を殺すことになったのだとか・・・。
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