むかしむかしのある日のこと・・・
琵琶湖で子どもたちにいじめられていた蛇を若い漁師が助けました。
すると、その夜、漁師のもとに女の人が訪ねてきました。
やがて二人は結婚して子を授かります。
出産が近づくと、妻は若者に「近づかないように」と言って産小屋に籠もりますが・・・
気になる若者は産小屋をのぞいてしまいました。
若者が見たのは大蛇が赤子を取り巻いている光景でした。
本当の姿を見られた妻は赤子を残して琵琶湖に姿を消したそうです。
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その後、赤子は妻が残していった「玉」をなめて育っていきますが・・・
噂を聞きつけた領主に「玉」を取り上げられてしまいます。
困った若者。
すると琵琶湖から龍が現れます。
その龍は、以前、浜で若者が助けた蛇でした。
そして、赤子がなめていたのは龍の片目だったのだそうです。
龍は若者にこう頼みました。
「もう一つの目を赤子のために差し上げます。
ただ、私は盲目になってしまうので子の成長を見ることができません。
三井寺の鐘を撞いて子の無事を知らせてください。
年の暮れには、できるだけたくさん撞いて1年が過ぎた事を知らせてください。
お返しに人々に幸運を授けましょう」
この時より三井寺では晩の鐘を撞き、大晦日には龍神に灯明を献じ、目玉餅を供えるそうです。
そして、108回に拘らず、できるだけ多くの人々に鐘を撞いてもらうようになったのだとか。
(三井の晩鐘)
鐘は1602年(慶長7年)の鋳造。
鐘楼も同時期に再建されたものと考えられています。
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鎌倉との繋がりを求めて!