別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2015年12月19日土曜日

薬師さまの御利益・・・伝説の京都:蛸薬師

京都の新京極の中にある永福寺は「蛸薬師」と呼ばれ、病気平癒の御利益で知られています。





昔、善光という僧と病気の母が永福寺で暮らしていました。

ある時、病気の母が「タコが食べたい」と言い出します。


生臭いものを寺に入れることは禁じられていましたが、善光は「薬師さまに叱られても母の願いを叶えてあげよう」と決心します。

そしてタコを購入。




タコは桶の中に隠しながら寺まで持ち帰えってきましたが、門前では意地の悪い男たちが立ち話をしています。

桶の中のタコが見つかって、また意地の悪いことを言われるのかと、とまどっていた善光でしたが・・・

タコを隠さずに堂々と門へ近づいていくことにしました。


すると男が「それはなんですか」と尋ねます。

善光は「タコだ」と答えます。


ところが、善光が持っていたのはタコではなく経巻だったのです。


そして、病気の母に思う存分タコを食べさせてあげることが出来ました。

その上、いつ死ぬかわからなかった母の病気が平癒したのだといいます。


以来、永福寺は蛸薬師と呼ばれるようになったのだとか。






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