昔、善光という僧と病気の母が永福寺で暮らしていました。
ある時、病気の母が「タコが食べたい」と言い出します。
生臭いものを寺に入れることは禁じられていましたが、善光は「薬師さまに叱られても母の願いを叶えてあげよう」と決心します。
そしてタコを購入。
タコは桶の中に隠しながら寺まで持ち帰えってきましたが、門前では意地の悪い男たちが立ち話をしています。
桶の中のタコが見つかって、また意地の悪いことを言われるのかと、とまどっていた善光でしたが・・・
タコを隠さずに堂々と門へ近づいていくことにしました。
すると男が「それはなんですか」と尋ねます。
善光は「タコだ」と答えます。
ところが、善光が持っていたのはタコではなく経巻だったのです。
そして、病気の母に思う存分タコを食べさせてあげることが出来ました。
その上、いつ死ぬかわからなかった母の病気が平癒したのだといいます。
以来、永福寺は蛸薬師と呼ばれるようになったのだとか。
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鎌倉との繋がりを求めて!