井上ひさしの『東慶寺花だより』を読んでいたら・・・
妻を離縁する場合、夫は手切れ金を渡します。
その逆、妻が離縁を申し出た場合は、持参金を諦めなければなりません。
おせんの夫は、日本橋通り二丁目の唐物問屋を営む者。
オランダ渡りの砂糖で知られた「唐子屋」の主人。
オランダ砂糖の売れ行きが鈍ってきたため、国内産砂糖に切り替えようとするが、国内産砂糖仲間に加入するには300両を納めなければならなかった。
おせんが、婚姻のときに持参した300両を使えばいいのだが、夫は持参金はおせいのものだからとそれを使おうとしない。
夫に国内産砂糖仲間に入ってもらいたいおせいは、東慶寺に駆け込んで離縁をすることで、夫に持参金の300両を渡すことにしたのだという。
ということで、『東慶寺花だより』にはいろんな離縁が描かれています。
『東慶寺花だより』は、離婚を望む女たちの「駆け込み寺」を描いた涙と笑いの物語。
5月に映画化されます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・