別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2011年1月11日火曜日

建長寺・円覚寺の伽藍配置

禅宗のいわゆる七堂伽藍というのは、山門・仏殿・法堂・僧堂・庫裡・西浄(便所)・浴室の建物のことといわれ、これらの建物が中国の影響を受けて左右対称に並んでいるのが特徴です。

鎌倉を代表する禅宗寺院の建長寺円覚寺の伽藍の配置は、中国の径山万寿寺の伽藍を手本にしたものです。

建長、円覚の両寺は、度重なる火災によって創建当時の建物は残されていませんが、幸い建長寺には境内全体の平面図が、円覚寺には絵図が残されています。



~建長寺の平面図~



写真がよくないのでわかりずらいかもしれませんが、総門を入ると左右6本ずつのビャクシンが植えられ、その背後に西浄と浴室が配置されています。
そして、山門・ビャクシン・仏殿・法堂が一直線に並び、左右に僧堂と庫院が並ぶ配置になっています。

簡単に描くとこんな感じの配置になります。


=西浄・浴室の配置と苑池の配置は日本独特のもの=

伽藍の前方に西浄(便所)と浴室を置く配置というのは、日本の禅宗寺院の特色で中国ではみられないそうです。地形的に東西の幅を広くとることができなかったためと考えられています。

また、伽藍の後方に苑池も中国ではみられないもので、いずれにしても建長寺が発祥であると考えられています。



右から前栽列樹(ビャクシン)・仏殿・法堂です。

ビャクシンの後ろに山門があります。


~円覚寺の絵図~



1334年(建武元年)頃に作成されたと考えられている円覚寺の絵図です。

現在でもその面影を見ることが出来ますが、総門・山門・仏殿・法堂・方丈が一直線に、しかも五段の階段状に並ぶ伽藍配置でした。

現在の黄梅院の場所には華厳塔が見られ、覚山尼が八代執権北条時宗の三回忌に建立したものではないかと考えられています。


山門からみた仏殿です。

※「建長寺の平面図」や「円覚寺の絵図」は、11月の宝物風入の際に観ることができると思います。



建長寺の伽藍配置
https://www.yoritomo-japan.com/kentyoji-garan.htm
円覚寺の伽藍配置
https://www.yoritomo-japan.com/engakuji-garan.htm
建長寺の名勝庭園
https://www.yoritomo-japan.com/kentyoji-teien.htm
円覚寺の名勝庭園
https://www.yoritomo-japan.com/engakuji-teien.htm

鎌倉手帳
https://www.yoritomo-japan.com/kamakura.html

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