別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2011年4月28日木曜日

建長寺の国宝~法語規則と蘭渓道隆像~

我が国初の禅専門道場として開かれた建長寺には、開山蘭渓道隆(大覚禅師)の墨跡「法語規則」と禅僧の肖像画「蘭渓道隆像」が残されています。

いずれも国宝に指定されています。


 法語規則
大覚禅師墨跡 法語規則


蘭渓道隆(大覚禅師)の代表的墨跡です。

建長寺に入って間もない頃に書かれたものと考えられています。

「法語」(右)は、衆僧に対して怠慢放縦をいましめ参禅弁道に専心すべきことを説き、

「規則」(左)は、僧として守るべき規範が定められています。

沐浴・洗面をはじめ日常生活の細かい行動に至るまでが述べられ、違反者には罰油が課せられています。

道隆は、典雅でおだやかな書風を樹立した中国南宋時代の書家張即之(ちょうそくし)の書風を学んだといわれています。



 蘭渓道隆像
絹本淡彩 蘭渓道隆像


曲彖(椅子)に坐す蘭渓道隆の頂相です。

文永8年(1271年)、58歳のときのものです。

禅僧の肖像画は「頂相」(ちんぞう)と呼ばれています。

当時は、師が弟子の僧侶に「お墨付きを与える」という意味で、自賛の肖像画を与えるという習慣があって多くの頂相が描かれました。

この「蘭渓道隆像」は頂相の代表的な作例として知られています。






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 建長寺

 建長寺開山忌

 宝物風入


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