別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




okadoのブログは、『中世歴史めぐりyoritomo-japan』の別冊。
京都・奈良・平泉・鎌倉などの寺社・歴史・人物・伝説・文化・自然・花などの情報をお伝えします。


2025年11月15日土曜日

運慶の子康運と孫康円の仏像~東京国立博物館 運慶祈りの空間~


東京国立博物館では「運慶 祈りの空間 興福寺北円堂」が開催されていますが、別室の東博コレクション展(平常展)では、運慶とともに東大寺金剛力士像を造立した快慶、運慶の子とされる肥後定慶、孫の康円の仏像も拝観できます。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


菩薩立像

東京国立博物館所蔵の菩薩立像は、肥後定慶の作とされています。

肥後定慶は、京都の鞍馬寺の聖観音像や大報恩寺(千本釈迦堂)の六観音を造立したことで知られていますが、

肥後定慶とは・・・

運慶の次男・康運のこととする説が有力。

京都栂尾の高山寺の縁起によると、康運は定慶に改名しているのだとか。

参考までに、鎌倉の明王院不動明王坐像は肥後定慶の作ともいわれています。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


愛染明王坐像

神護寺所蔵の愛染明王坐像(東京国立博物館寄託)は、康円の作とされています。

康円は運慶の孫で、康運の子ともいわれています。


参考までに・・・

愛染明王坐像
(五島美術館蔵)

この愛染明王は、鶴岡八幡宮に置かれていた運慶作と伝えられる愛染明王坐像


馬頭観音
(大報恩寺)

この馬頭観音は、肥後定慶(康運)が造立した大報恩寺(千本釈迦堂)の六観音の中の一つ。

運慶(親)-康運(子)-康円(孫)が表現した「忿怒」を見比べてみるのも面白いかも。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


運慶


運慶 祈りの空間


興福寺

興福寺北円堂


よりともジャパン.com