紫式部は、生涯でただ一度、都を離れて暮らした越前武生を『源氏物語』に登場させています。
「宇治十帖」~浮舟の巻~には、
「武生の国府に移ろひたまふとも、忍びては参り来なむを・・・」
とあります。
宇治から帰京する浮舟の母が、
「たとえあなたが、遠い武生の国府のような所へ行ってしまったとしても、こっそりとお伺いしましょう・・・」
と浮舟を慰めている場面。
~手習の巻~では、
浮舟を救った比叡山の横川の僧都の母・大尼君が
「たけふ、ちちりちちり、たりたむな」
と口ずさんでいます。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆