新嘗祭の豊明節会の日、宮中に参って五節の舞姫たちを観た光源氏は、昔、目を留めた少女(おとめ・筑紫の五節)のことを思い出します。
そして、久しぶりに筑紫の五節へ便りを送ります。
「をとめごも 神さびぬらし 天つ袖 ふるき世の友よ はひ経ぬれば」
(光源氏:あの頃のうら若き舞姫も年をとられたことでしょう。古い友の私も年を重ねてしまったのですから)
「かけていへば 今日のこととぞ 思ほゆる 日かげの霜の 袖にとけしも」
(筑紫の五節:五節の舞についていわれますと、あなたに打ち解けたことが今日のように思われます)
五節の舞姫だった筑紫の五節は、父の大宰府赴任に同行して筑紫へ下向。
筑紫から帰京する際、途中で須磨に蟄居していた光源氏と和歌を贈答しています。
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