別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』
2023年9月6日水曜日
泰山府君と福禄寿
人間の生死・寿命・官位および死後の審判を司るとされる中国道教の神・泰山府君。
日本では、慈覚大師の遺言により赤山禅院が創建され、延命・福徳の神:赤山大明神として祀られました。
泰山府君は、陰陽道で最高神とされ、安倍晴明は泰山府君祭によって重病の三井寺の僧侶を救ったのだといいます。
📎安倍晴明の占いと師弟を救った三井寺の泣不動
後鳥羽院にとりついた白面金毛九尾の狐の正体を見破ったのは、泰山府君祭を行った安倍泰成でした。
📎鎌倉地蔵の伝説
そして、泰山府君を人格化したのが幸福・高禄・長寿の徳を与えられた福禄寿神。
赤山禅院の本尊・赤山大明神は、天では福禄寿神・地では泰山府君として、万物の命運を司るとされています。
室町時代になると七福神信仰が盛んになり、福禄寿も七人の福神の一人に数えられるようになります。
鎌倉では、鶴岡八幡宮祭礼行列・山ノ内八雲神社祭礼行列・円覚寺弁財天祭礼行列の面掛行列にも参加していました。
面掛行列は、現在では坂ノ下御霊神社でのみ行われていますが、御霊神社の面掛行列にも福禄寿が参加します。
御霊神社の面掛行列は9月18日。