「けんちん汁」は、禅の心を集約した精進料理。
建長寺発祥と言われています。
野菜の皮や根の部分も捨てることなく、油でいためて煮込んで食したことに始まるのだとか。
けんちん汁
崩した豆腐を入れるのは・・・
料理を作っていた修行僧が誤って豆腐を落としてしまいました。
それを見ていた開山の蘭渓道隆は、その豆腐を丁寧に拾い集めて、汁の中に入れたのだといいます。
開山の蘭渓道隆は、中国宋の禅僧。
宋で修行していた泉涌寺の月翁智鏡との出会いが縁で、1246年(寛元4年)に来日。
筑前博多の円覚寺で布教活動をした後、翌年、智鏡の招きで上洛し、泉涌寺の来迎院に滞在します。
しかし、旧仏教で固められた京都では、道隆の活躍する場はなく、1248年(宝治2年)頃、智鏡の勧めで鎌倉へ下りました。
寿福寺に仮寓した後、北条時頼の招きで常楽寺に移り、1253年(建長5年)に建長寺が創建されると開山に迎えられました。
伊豆の修禅寺・京都の建仁寺・甲斐の東光寺・鎌倉の禅興寺にも住し、1278年(弘安元年)、建長寺で没しています。
11月8日は立冬。節分です。
鎌倉では、節分に「けんちん汁」を食べたのだといいます。
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