別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




okadoのブログは、『中世歴史めぐりyoritomo-japan』の別冊。
京都・奈良・平泉・鎌倉などの寺社・歴史・人物・伝説・文化・自然・花などの情報をお伝えします。


2025年9月10日水曜日

運慶の南都復興と興福寺北円堂~運慶 祈りの空間~


9月9日から東京国立博物館で「運慶 祈りの空間 ー 興福寺北円堂」が始まりました。




運慶は、1180年(治承4年)の南都焼討で灰燼に帰した東大寺興福寺を目の当たりにした仏師。


東大寺の復興は後白河法皇の支援の下で俊乗坊重源が奔走し、興福寺の復興は九条兼実の異母弟・信円が中心となって進められました。

そして、失われた仏像の復興事業で活躍したのが慶派の仏師。

慶派は、康慶からはじまる奈良仏師の傍流ですが、東大寺・興福寺の復興事業で造仏界の中心に躍り出ます。

康慶は、1178年(治承2年)に後白河法皇の蓮華王院(三十三間堂)の五重塔の造仏を任され、僧綱位の法眼を得た仏師。

僧綱位とは、仏師が与えられた位階で、下から法橋・法眼・法印。

当時、奈良仏師で僧綱位を得ていたのは康慶だけだったのだといいます。

その康慶の子が南都の復興事業の中で仏像界に新風を吹き込んだ運慶


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


1195年(建久6年)、東大寺大仏殿が落慶。

翌年、如意輪観音・虚空蔵菩薩と四天王像が造像されますが、担当したのは慶派仏師。

運慶は康慶とともに虚空蔵菩薩の大仏師を務め、増長天の大仏師も務めています。

この功績で運慶は法眼の位を得ています。

1203年(建仁3年)、東大寺南大門が再建されます。

金剛力士像は運慶が一門を率いて造立しています。

この功績で運慶は僧綱の極位である法印となります。

そして・・・



南都焼討から20年経った1210年(承元4年)、興福寺北円堂が再建されます。

その造仏を任されたのが運慶



1212年(建暦2年)、運慶一門は本尊の弥勒如来坐像と両脇侍像、無著・世親立像、四天王立像を造立したのだといいます。

現在の脇侍像は室町時代のもののようですが・・・

「運慶 祈りの空間 ー 興福寺北円堂」では、現在も北円堂に安置されている弥勒如来坐像、無著・世親立像と、かつては北円堂に安置されていたという中金堂の四天王立像を展示され、鎌倉復興期の北円堂が再現されています。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆



年代は定かではありませんが、運慶は京都の八条高倉に地蔵十輪院を建立しています。

六波羅蜜寺運慶坐像は運慶の自作とされ、地蔵十輪院にあった地蔵菩薩坐像の脇段に置かれていたものなのだと伝えられています。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「運慶 祈りの空間 興福寺北円堂」

【会期】
2025年9月9日~11月30日。

【開館時間】
9時30分~17時00分

【観覧料】
一般 1,700円
大学生 900円
高校生 600円

【休館日】
9月29日(月)、10月6日(月)、14日(火)、20日(月)、27日(月)、 11月4日(火)、10日(月)、17日(月)、25日(火)



入場者全員に北円堂の戸張をもとにデザインされた「運慶展オリジナルカード」が配布されます。

裏面のQRコードを読み取ると、興福寺の変遷と祈りを紹介する映像を視聴することができます。




運慶



東京メトロオリジナル24時間券


運慶願経


興福寺北円堂

興福寺中金堂

興福寺南円堂


興福寺


南都焼討








☆ ☆ ☆ ☆ ☆


東大寺大仏殿にも運慶仏があった!
東大寺大仏殿

東大寺南大門の金剛力士像は運慶作!
東大寺南大門


東大寺


歴史めぐり源頼朝


よりともジャパン.com


2025年9月9日火曜日

源頼朝が祈願した毘沙門天、50年に一度の御開帳~伊豆の国市:国清寺毘沙門堂~




伊豆の国市奈古谷​にある毘沙門堂は、国清寺の守護神・毘沙門天を安置する堂。

後白河法皇神護寺再興を強訴して伊豆へ流された文覚の修行跡といわれています。


毘沙門堂

毘沙門天は慈覚大師作と伝えられ、文覚に挙兵を勧められた源頼朝が祈願したのだと伝えられています。


仁王門

仁王門に安置されている金剛力士像は、頼朝の寄進で運慶・湛慶父子の作とも伝えられてきました。



毘沙門天御開帳
2025年(令和7年)9月14日(日)
9:00〜16:00

法要時間中は拝観できません。
10:30〜(約1時間)
14:00〜(約1時間)


📎喜捨(ご寄付)のお願い
(毘沙門天運営奉賛会からのお願い)



毘沙門堂


国清寺








☆ ☆ ☆ ☆ ☆


源頼朝配流の地・北条氏発祥の地


文覚

北条政子

歴史めぐり源頼朝


よりともジャパン.com


いよいよ今日から!運慶 祈りの空間-興福寺北円堂~東京国立博物館~





今日から東京国立博物館の特別展「運慶 祈りの空間 興福寺北円堂」が始まります。

【会期】
2025年9月9日~11月30日。

【開館時間】
9時30分~17時00分

【観覧料】
一般 1,700円
大学生 900円
高校生 600円

【休館日】
9月29日(月)、10月6日(月)、14日(火)、20日(月)、27日(月)、 11月4日(火)、10日(月)、17日(月)、25日(火)




興福寺北円堂は、興福寺の開基藤原不比等の一周忌に創建されました。

1180年(治承4年)の南都焼討後の復興造仏を任されたのが運慶

本尊の弥勒如来坐像、肖像彫刻として日本彫刻史上屈指の名作といわれる無著・世親菩薩立像は、1212年(建暦2年)に運慶が一門を率いて造立したもの。

もとは北円堂に安置されていたという中金堂の四天王立像も運慶作ではないかと考えられています。

「運慶 祈りの空間 興福寺北円堂」では、北円堂の弥勒如来坐像、無著・世親菩薩立像、中金堂の四天王像が展示され、鎌倉復興期の北円堂が再現されます。




運慶


東京メトロオリジナル24時間券

運慶展オリジナルカード



運慶願経


興福寺北円堂

興福寺中金堂

興福寺南円堂


興福寺


南都焼討








☆ ☆ ☆ ☆ ☆


東大寺大仏殿にも運慶仏があった!
東大寺大仏殿

東大寺南大門の金剛力士像は運慶作!
東大寺南大門


東大寺


歴史めぐり源頼朝


よりともジャパン.com


2025年9月8日月曜日

浄楽寺の運慶仏が常時拝観可能に。


2025年(令和7年)9月1日から浄楽寺運慶仏が予約なしで拝観できるようになりました。

当面は休館日なし。

拝観時間は
9:00~12:00
13:00~17:00

団体での拝観や暗闇参り希望の場合は予約が必要です。

拝観料は
大人 600円(市民割引500円)
小学生300円(市民割引250円)



(横須賀市)

浄楽寺は、1189年(文治5年)に和田義盛が建立したと考えられている寺院。

収蔵庫の運慶仏は、和田義盛の発願によって造立されたものであることが確認されています。



浄楽寺の運慶仏


運慶


浄楽寺








☆ ☆ ☆ ☆ ☆


運慶 祈りの空間

東京メトロオリジナル24時間券

運慶展オリジナルカード



興福寺北円堂


よりともジャパン.com