紫式部が書いた『源氏物語』の原本は残されていませんが・・・
写本として、藤原定家が作成したという「青表紙本」と、源光行とその子源親行が作成したという「河内本」があります。
そして・・・
「河内本」を写したものが尾張徳川家に伝えられた「尾州家本源氏物語」。
この写本は、1258年(正嘉2年)5月に北条実時が「河内本」の原本を借りて書写させたもので、金沢文庫に収められていたのだといいます。
鎌倉幕府滅亡後は所在不明となっていましたが、安土桃山期には豊臣秀吉・徳川家康が所有し、家康の死後、尾張徳川家の祖・徳川義直に譲られたのだといいます。
(横浜市金沢区・称名寺)
北条実時は、二代執権・北条義時の孫。
称名寺は実時が建てた持仏堂を始まりとし、金沢文庫は実時によって創設された武家の書庫。
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