昔、大谷の地には毒蛇が住み、毒水を流し、この水に鳥獣虫魚が触れるとたちまちにして死に、五穀も枯れ、人間も病気になり、最悪の場合は死に至ったのだといいます。
そのため地獄谷と呼ばれていたそうです。
苦しんだ人々は村を捨てようと考えていましたが・・・
東国を巡行していた弘法大師がこの話を聞きつけます。
そして、毒蛇のいる谷へと入っていきます。
それから10日余り経って谷から出てきた弘法大師は、毒蛇を退治したことを人々に告げて去って行ったのだそうです。
人々が谷の奥に入ってみると、岩壁に光り輝く千手観音が彫ってあったのだといいます。
今、毒蛇は心を入れ替えて白蛇となって弁財天にお仕えしているそうです。