別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』
2022年7月7日木曜日
七夕に素麺(そうめん)を食べて・・・恋愛成就・無病息災
平安時代に編纂された『延喜式』には、七夕に「索餅」(さくべい)が供えられたという記述があるそうです。
索餅は中国の食べ物で、奈良時代に日本に伝えられたのだといいます。
のちに、この索餅が変化を遂げ、「素麺」(そうめん)になったのだとか・・・
文献で「素麺」が初めて確認されるのは、祗園社(八坂神社)の『祇園執行日記』(1343年(康永2年)7月7日条)のようです(いろんな説があるようです。)。
中国の伝説によると・・・
昔昔の7月7日、
ある子どもが亡くなります。
そして、その子が霊鬼となって熱病を流行らせます。
困った村人たちは、その子の好物だった索餅(さくべい)を供えることにしたそうです。
すると熱病が収まったのだといいます。
ということで・・・
7月7日に索餅を食べると無病息災で暮らせるのだと伝えられてきたようです。
素麺の原料は小麦。
七夕に素麺を食べる理由の一つには、小麦が収穫できたことへの感謝の意味もあるのだといいます。
他には、
○素麺の流れが天の川を連想させるから。
○麺が織姫のつむぐ糸を連想させるから。
などというものもあるようで・・・
参考までに、索餅は『吾妻鏡』にも登場します。
1189年(文治5年)6月3日、天台座主全玄僧正(延暦寺の貫主)の代理として法橋観性が鎌倉に下ってきました。
鶴岡八幡宮の五重塔の供養の導師を勤めるためです。
源頼朝は、佐々木高綱に命じて、前もって旅館と定めていた八田知家の屋敷に案内させます。
そして、三浦義村を遣わして菓子と索餅を贈っています。
全国乾麺協同組合連合会では、7月7日を「そうめんの日」としているそうです。